
http://2ch.sc/より
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/x3/1262263440/
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/x3/1262263440/
個人的に大変な力作であるSSだと思うので掲載しましたが
※このSSは長い上に未完です。
※ガンダムXの物語を知らないと分からない部分も多いと思います
興味のある方だけどうぞ。
※このSSは長い上に未完です。
※ガンダムXの物語を知らないと分からない部分も多いと思います
興味のある方だけどうぞ。
関連記事まとめ
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37747904.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 2 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762393.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 3(未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762491.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 4 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762537.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 5 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762581.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37747904.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 2 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762393.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 3(未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762491.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 4 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762537.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 5 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762581.html
70:通常の名無しさんの3倍:2010/01/08(金) 04:06:09 ID:???.net
アクシズ押し返しの後、ボロボロのνガンダムのコクピットで目を醒ますアムロ。
手にはサイコフレーム(チェーンのモノ)を何故か握っていた。
ガンダムタイプのジャンクという噂をかぎつけてバルチャーに囲まれるアムロはフリーデンに助けられる。
ジャミル=ニートは夢であった少女(ララア)に導かれて、この場所に来、アムロを助けたのだった。
アムロはジャミルの話からここがUCの世界ではない事を知る。
だが、このAWという世界はもしかしたら自分達にもあったかも知れない世界の姿なのだ。
ジャミルはNTである少女、ティファ=アディールの救出を計画する。
アムロは拾われた恩返しと、彼に共感する思いもあり、ティファを救出に協力したのだった。
ティファを奪われたアルタネイティブ社はMSハンティングを生業にする少年・ガロード=ランにティファの奪還を依頼する。
しかしガロードは翻意、ティファの導きによって眠っていたGX9900を起動させた。
それは15年前の悲劇の引き金となったシステムを積んだ機体。ジャミルは叫ぶ――「月は出ているか?」
フリーデン艦橋でのジャミルの声を、ティファを取り戻すために出撃したドートレスのコクピットの中でアムロは聴く(NT能力)
第一話「月は出ている」
手にはサイコフレーム(チェーンのモノ)を何故か握っていた。
ガンダムタイプのジャンクという噂をかぎつけてバルチャーに囲まれるアムロはフリーデンに助けられる。
ジャミル=ニートは夢であった少女(ララア)に導かれて、この場所に来、アムロを助けたのだった。
アムロはジャミルの話からここがUCの世界ではない事を知る。
だが、このAWという世界はもしかしたら自分達にもあったかも知れない世界の姿なのだ。
ジャミルはNTである少女、ティファ=アディールの救出を計画する。
アムロは拾われた恩返しと、彼に共感する思いもあり、ティファを救出に協力したのだった。
ティファを奪われたアルタネイティブ社はMSハンティングを生業にする少年・ガロード=ランにティファの奪還を依頼する。
しかしガロードは翻意、ティファの導きによって眠っていたGX9900を起動させた。
それは15年前の悲劇の引き金となったシステムを積んだ機体。ジャミルは叫ぶ――「月は出ているか?」
フリーデン艦橋でのジャミルの声を、ティファを取り戻すために出撃したドートレスのコクピットの中でアムロは聴く(NT能力)
第一話「月は出ている」
72:通常の名無しさんの3倍:2010/01/08(金) 20:17:36 ID:???.net
>>70
かなり良い感じだな
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>>70
かなり良い感じだな
76:通常の名無しさんの3倍:2010/01/10(日) 03:12:05 ID:???.net
77:通常の名無しさんの3倍:2010/01/10(日) 04:09:47 ID:???.net
79:通常の名無しさんの3倍:2010/01/10(日) 04:37:08 ID:???.net
87:通常の名無しさんの3倍:2010/01/11(月) 02:13:44 ID:???.net
101:通常の名無しさんの3倍:2010/01/12(火) 04:46:57 ID:???.net
185:通常の名無しさんの3倍:2010/04/23(金) 19:55:10 ID:???.net
キッドとアムロはメカ談義に花が咲きそうだな
228:通常の名無しさんの3倍:2010/06/13(日) 01:53:50 ID:???.net
239:通常の名無しさんの3倍:2010/06/14(月) 02:41:03 ID:???.net
243:通常の名無しさんの3倍:2010/06/21(月) 23:40:28 ID:???.net
244:通常の名無しさんの3倍:2010/06/21(月) 23:43:16 ID:???.net
246:通常の名無しさんの3倍:2010/06/22(火) 15:08:44 ID:???.net
乙
247:通常の名無しさんの3倍:2010/06/26(土) 02:16:04 ID:???.net
248:通常の名無しさんの3倍:2010/06/26(土) 02:17:50 ID:???.net
249:通常の名無しさんの3倍:2010/06/26(土) 03:27:47 ID:???.net
乙!
ここで弾切れとは芸が細かい。
この後のジャミルの見せ場もちゃんとあると見た。
250:通常の名無しさんの3倍:2010/06/27(日) 00:23:22 ID:???.net
アムロ専用ドートレスかっけぇな
ヤラレ役の量産機から一気に不沈のエース機に格上げだな
251:通常の名無しさんの3倍:2010/06/27(日) 01:46:34 ID:???.net
252:通常の名無しさんの3倍:2010/06/27(日) 01:49:49 ID:???.net
255:通常の名無しさんの3倍:2010/06/27(日) 05:04:19 ID:???.net
ここで逆シャアがくるかw
257:通常の名無しさんの3倍:2010/07/03(土) 01:43:30 ID:???.net
258:通常の名無しさんの3倍:2010/07/03(土) 01:45:17 ID:???.net
259:通常の名無しさんの3倍:2010/07/03(土) 03:01:58 ID:???.net
アムロいい保護者だなぁw
263:通常の名無しさんの3倍:2010/07/05(月) 02:12:11 ID:???.net
264:通常の名無しさんの3倍:2010/07/05(月) 02:14:20 ID:???.net
278:通常の名無しさんの3倍:2010/07/23(金) 01:33:24 ID:???.net
279:通常の名無しさんの3倍:2010/07/23(金) 01:37:55 ID:???.net
280:通常の名無しさんの3倍:2010/07/23(金) 01:39:44 ID:???.net
290:通常の名無しさんの3倍:2010/08/02(月) 00:25:44 ID:???.net
291:通常の名無しさんの3倍:2010/08/02(月) 00:33:13 ID:???.net
292:通常の名無しさんの3倍:2010/08/02(月) 00:43:05 ID:???.net
乙
ロアビィ、ウィッツの話をよくまとめあげたな、マジ鳥肌立った
ティファを人質にしてこの場を逃れようとするガロード。しかしアムロはティファを傷つけずにガロードを攻撃してみせる。
「うそぉ!?」ガロードが呻き、アムロはティファを回収しようとしたところでアルタネイティブ社の手勢に攻撃をうけ
結果としてティファは再びガロードの手に渡り、ガロードはその場を後にするのだった。
ティファとの二人きりの会話もつかの間、今度はバルチャーによって襲撃をうけるガロード。
私欲が支配する戦場に向かうフリーデンの中のアムロは、その中に純粋なガロードの気配を感じていた。
「あなたに、力を……」そして少年に答える少女の声に、アムロはざわめきを覚える。
ジャミルの震えと焦り、そして月から延びる一条の光、「サテライトシステム?」男の声(DOME)がアムロに語りかけた。
「15年前の悪夢だ……」「急ぐぞ、ジャミル」直感的にアムロは第二射は無いと感じた。
そしてティファが人の死を直に受けすぎてしまっている事も。シャアの反乱で救えなかった少女を思い浮かべる。
あの時の自分にはそんな余裕は無かった。「あ゛あぁ゛ぁあぁぁぁぁ!!!」ティファの悲鳴を感じる……アムロはドートレスのペダルを踏み込んだ。
第二話「人は同じ過ちを繰り返して……全くっ!」
「うそぉ!?」ガロードが呻き、アムロはティファを回収しようとしたところでアルタネイティブ社の手勢に攻撃をうけ
結果としてティファは再びガロードの手に渡り、ガロードはその場を後にするのだった。
ティファとの二人きりの会話もつかの間、今度はバルチャーによって襲撃をうけるガロード。
私欲が支配する戦場に向かうフリーデンの中のアムロは、その中に純粋なガロードの気配を感じていた。
「あなたに、力を……」そして少年に答える少女の声に、アムロはざわめきを覚える。
ジャミルの震えと焦り、そして月から延びる一条の光、「サテライトシステム?」男の声(DOME)がアムロに語りかけた。
「15年前の悪夢だ……」「急ぐぞ、ジャミル」直感的にアムロは第二射は無いと感じた。
そしてティファが人の死を直に受けすぎてしまっている事も。シャアの反乱で救えなかった少女を思い浮かべる。
あの時の自分にはそんな余裕は無かった。「あ゛あぁ゛ぁあぁぁぁぁ!!!」ティファの悲鳴を感じる……アムロはドートレスのペダルを踏み込んだ。
第二話「人は同じ過ちを繰り返して……全くっ!」
フリーデンに収容されるティファとガロード。
暴れるガロードに「威勢だけは一人前だな」とジャミル。「若い頃はこれぐらい元気があった方がいい」とアムロ。
ガロードに対してアムロが本能的に好意を向けているのはNTの直感力の為すものか
あるいはAWに来て日が浅く、すぐにフリーデンに拾われた為、厳しくなければ生きられないこの世界を知らないからなのか。
その頃、アルタネイティブ社にフリーのMSを名乗るシャギア=フロストが現れていた。
フリーデンの格納庫の一画に最近居座り始めたMS…いやジャンクがある。
アムロの愛機であるνガンダムだ。16、17mクラスのAWのMSに比べて22mのνガンダムはただでさえ大きい。
ジャミルの好意とキッドの興味によって、アムロが現れた地点に転がっていたパーツまで兎に角集めて置いておいて貰っている状況だ。
νガンダムはジェガンと共通するパーツが多いが、世界が違っていては共通規格になんの意味もない。
アムロ個人としてはどこかのMSを赤く塗りたがる男とは違ってガンダムで無くてはならないという拘りもなく、今借りて使っているドートレスで不満はない。
設計から関わったνガンダムには多少の愛着はあるものの、別世界の技術であるνが在り続ける危険性も考えて完全にスクラップにしてもいいと思っている。
だが、キッド本人はメカニックの誇りにかけてνガンダムを直したいらしい。
翻ってガンダムXである。レオパルド、エアマスターに続いてアムロがこの世界で見た三体目のガンダムであったが、どこか懐かしさを感じさせた。
キッドたちメカニックが夜になってもGXの整備をしている。バルチャーとの戦闘でGXはボロボロだ。
「まあ一番酷いのはアムロがやった部分なんだけど」とはキッドの弁。「やっぱ気になる?コイツの乗るのは自分だから?」とキッドは続ける。
GXがフリーデンのモノになるなら、パイロットはジャミルでいいじゃないかとアムロは返したが、キッドは意外そうに「ジャミルはコクピット恐怖症なんだぜ」と答えた。
しかし、それでもアムロはこの世界の「ガンダム」には乗る気には慣れなかった。別にガンダムに拘りはなかった筈なのに……
アムロは自分をガンダムに乗せたがった恋人の事を少し思い出していた。
アムロとキッドの会話を見咎めたのがサラ=タイレルである。バルチャーの中でも一目置かれるジャミルがパイロット恐怖症というのは他人には知られたくない情報だ。
トニヤやキッドはジャミルが信頼しているアムロを同じく信用するようになったが、サラはまだ警戒を残していた。
だが天然ジゴロのアムロはそんなサラが「GXの存在が情報屋に渡って、フリーデンにも敵が群がってこないか」という心配を抱えている事を見抜く。
ティファの容態も安定してきていることもあり、アムロは最寄りの街に自分が探りに行くことを提案する。ついでにキッドにパーツのお使いも頼まれるのだった。
アムロはジャミルに許可を貰う途中、窓からガロードが花を摘む姿を見、微笑ましく思うのだった。
そしてアムロが不在のフリーデンにオルバ=フロストがやってくる。
第三話「ガンダムに乗ってこそ、アムロ=レイか……」
暴れるガロードに「威勢だけは一人前だな」とジャミル。「若い頃はこれぐらい元気があった方がいい」とアムロ。
ガロードに対してアムロが本能的に好意を向けているのはNTの直感力の為すものか
あるいはAWに来て日が浅く、すぐにフリーデンに拾われた為、厳しくなければ生きられないこの世界を知らないからなのか。
その頃、アルタネイティブ社にフリーのMSを名乗るシャギア=フロストが現れていた。
フリーデンの格納庫の一画に最近居座り始めたMS…いやジャンクがある。
アムロの愛機であるνガンダムだ。16、17mクラスのAWのMSに比べて22mのνガンダムはただでさえ大きい。
ジャミルの好意とキッドの興味によって、アムロが現れた地点に転がっていたパーツまで兎に角集めて置いておいて貰っている状況だ。
νガンダムはジェガンと共通するパーツが多いが、世界が違っていては共通規格になんの意味もない。
アムロ個人としてはどこかのMSを赤く塗りたがる男とは違ってガンダムで無くてはならないという拘りもなく、今借りて使っているドートレスで不満はない。
設計から関わったνガンダムには多少の愛着はあるものの、別世界の技術であるνが在り続ける危険性も考えて完全にスクラップにしてもいいと思っている。
だが、キッド本人はメカニックの誇りにかけてνガンダムを直したいらしい。
翻ってガンダムXである。レオパルド、エアマスターに続いてアムロがこの世界で見た三体目のガンダムであったが、どこか懐かしさを感じさせた。
キッドたちメカニックが夜になってもGXの整備をしている。バルチャーとの戦闘でGXはボロボロだ。
「まあ一番酷いのはアムロがやった部分なんだけど」とはキッドの弁。「やっぱ気になる?コイツの乗るのは自分だから?」とキッドは続ける。
GXがフリーデンのモノになるなら、パイロットはジャミルでいいじゃないかとアムロは返したが、キッドは意外そうに「ジャミルはコクピット恐怖症なんだぜ」と答えた。
しかし、それでもアムロはこの世界の「ガンダム」には乗る気には慣れなかった。別にガンダムに拘りはなかった筈なのに……
アムロは自分をガンダムに乗せたがった恋人の事を少し思い出していた。
アムロとキッドの会話を見咎めたのがサラ=タイレルである。バルチャーの中でも一目置かれるジャミルがパイロット恐怖症というのは他人には知られたくない情報だ。
トニヤやキッドはジャミルが信頼しているアムロを同じく信用するようになったが、サラはまだ警戒を残していた。
だが天然ジゴロのアムロはそんなサラが「GXの存在が情報屋に渡って、フリーデンにも敵が群がってこないか」という心配を抱えている事を見抜く。
ティファの容態も安定してきていることもあり、アムロは最寄りの街に自分が探りに行くことを提案する。ついでにキッドにパーツのお使いも頼まれるのだった。
アムロはジャミルに許可を貰う途中、窓からガロードが花を摘む姿を見、微笑ましく思うのだった。
そしてアムロが不在のフリーデンにオルバ=フロストがやってくる。
第三話「ガンダムに乗ってこそ、アムロ=レイか……」
オルバ=フロストによって容態が悪化したティファを救う為、再びアルタネイティブ社のラボを襲う事を提案するジャミル。
反発するウィッツ、ロアビィ、フリーデンクルーにジャミルは自分の過去を話す。
NTを守りたいと語るジャミルの意志をガロードも隠れて聴いていて……
ウィッツ、ロアビィはガロードの願いも省みずにフリーデンを後にする。
兵力不足に陥ったジャミルは、他のバルチャー仲間に救援を依頼する。
一方、街のジャンク屋でキッドの注文の品と手に入れ、(メカ弄りの趣味を刺激されて)そのままジャンクを色々見ているアムロ。
ジャンク屋にMSでジャンクを大量に持ってきたエニルとすれ違う。
ロンドベル時代の経験を生かし、情報屋を探り出していると、その情報屋からフリーデンがアルタネイティブ社に向かった事を知る。
アムロは慌ててフリーデンへと戻る為、ジープのハンドルを握った。
バルチャー仲間と共に作戦を練ったジャミルであるが、作戦の要であるサテライトキャノンを持つGXに搭乗することができない。
そこに名乗りを上げたのはガロードだ。躊躇するジャミルだが、事態は急転する。
オルバ=フロストのガンダムアシュタロンが真の姿を現し、ティファを攫っていったのだ。
そしてフリーデンの前にガンダムヴァサーゴがアルタネイティブのMSを連れて立ちはだかる。
「黄昏時か…。死ぬには相応しい時間かもしれないね」 「月を見ぬまま地獄に落ちろ」
走るジープの中で、アムロの腰に付けているサイコフレームが耀き揺れる。
ティファか、フリーデンか、誰かが危機にある――なぜそんなときに自分が居ないんだ!アムロは歯噛みした。
カミーユの事を思う。自分が宇宙に怯えてしまった為に、あの少年を助ける事が出来なかったのではないか。
あの少年が壊れてしまったことがシャアに絶望を与えたのではないか。
そんなとっくに心に区切りをつけていた筈の事が、今更のように甦る。
情報屋の話ではエアマスターとレオパルドがフリーデンを降りたらしい。ジャミルはパイロット恐怖症……
ならばGXは誰が乗る?間に合いそうもない自分が?
いや……
「ジャミル、聞こえてくれ……」
第四話「GXに乗るのはガロード=ランだ」
反発するウィッツ、ロアビィ、フリーデンクルーにジャミルは自分の過去を話す。
NTを守りたいと語るジャミルの意志をガロードも隠れて聴いていて……
ウィッツ、ロアビィはガロードの願いも省みずにフリーデンを後にする。
兵力不足に陥ったジャミルは、他のバルチャー仲間に救援を依頼する。
一方、街のジャンク屋でキッドの注文の品と手に入れ、(メカ弄りの趣味を刺激されて)そのままジャンクを色々見ているアムロ。
ジャンク屋にMSでジャンクを大量に持ってきたエニルとすれ違う。
ロンドベル時代の経験を生かし、情報屋を探り出していると、その情報屋からフリーデンがアルタネイティブ社に向かった事を知る。
アムロは慌ててフリーデンへと戻る為、ジープのハンドルを握った。
バルチャー仲間と共に作戦を練ったジャミルであるが、作戦の要であるサテライトキャノンを持つGXに搭乗することができない。
そこに名乗りを上げたのはガロードだ。躊躇するジャミルだが、事態は急転する。
オルバ=フロストのガンダムアシュタロンが真の姿を現し、ティファを攫っていったのだ。
そしてフリーデンの前にガンダムヴァサーゴがアルタネイティブのMSを連れて立ちはだかる。
「黄昏時か…。死ぬには相応しい時間かもしれないね」 「月を見ぬまま地獄に落ちろ」
走るジープの中で、アムロの腰に付けているサイコフレームが耀き揺れる。
ティファか、フリーデンか、誰かが危機にある――なぜそんなときに自分が居ないんだ!アムロは歯噛みした。
カミーユの事を思う。自分が宇宙に怯えてしまった為に、あの少年を助ける事が出来なかったのではないか。
あの少年が壊れてしまったことがシャアに絶望を与えたのではないか。
そんなとっくに心に区切りをつけていた筈の事が、今更のように甦る。
情報屋の話ではエアマスターとレオパルドがフリーデンを降りたらしい。ジャミルはパイロット恐怖症……
ならばGXは誰が乗る?間に合いそうもない自分が?
いや……
「ジャミル、聞こえてくれ……」
第四話「GXに乗るのはガロード=ランだ」
ジャミルはガロードの決意にまかせGXを彼に預けた。
しかしシャギアのかるガンダムヴァサーゴの壁は厚い。
ティファをアルタネイティブに渡し、オルバ=フロストも兄の加勢に駆けつける。
危機一髪、ガロードを救ったのはウィッツとロアビィだった。
そしてティファを手に入れたアルタネイティブは、
旧革命軍のMAを使い、フロスト兄弟ごとガロード達を消滅させようとしたのだった。
「状況は!」フリーデンに駆け込んだアムロを向かえたのはジャミルであった。
彼は艦長であって、後部デッキにいるのは相応しくない。
「サテライトキャノンで対抗する」ティファからの思念を頼りにすることで彼女を狙わないように。
「できるのか?」自分が代わろうか?と言いかけたアムロは、「フリーデンを頼む」というジャミルに遮られた。
ジャミルを見送り、自分のドートレスに乗り込むアムロ。テクスやサラからジャミルがムリに力を使えば傷つくだけと知るがもう遅い。
ガロードとティファとジャミル「三人を信じるしかない」、アムロはドートレスで出撃する。
フリーデンを狙うアシュタロンの攻撃をかわし、一撃を加えるアムロ。「ちぃ!ガンダムタイプにドートレスの火器ではダメか!」直撃の筈が。
だがGXのサテライトキャノンは見事に命中し、ティファを救うことに成功したのだ。
フロスト兄弟は撤退し、平穏な夜明けがやってくる。
「大丈夫か、ジャミル」「ああ、感謝する」「感謝?」「フリーデンを守ってくれたことに、だ」
そんな三十路と三十路一歩前の男二人に、ガロードとティファの会話が聞こえてきた。
「さぁ、帰ろうぜ!」 「『帰る』?」 「ああ! ジャミルのところに…なっ?」 「…うん」
ガロードはフリーデンを居場所に決めた。
そしてアムロもまた、その居場所を自然と受け入れているようであった。
「ナイスファイト!」スパナ片手にキッドが、「お疲れさまー」トニヤが、「やっぱり強いな」シンゴが、「ありがとうございます」サラが
アムロを向かえてくれる。そしてアムロはガロードを迎え入れた。
第五話「ただいま。そしてようこそ、ガロード=ラン」
しかしシャギアのかるガンダムヴァサーゴの壁は厚い。
ティファをアルタネイティブに渡し、オルバ=フロストも兄の加勢に駆けつける。
危機一髪、ガロードを救ったのはウィッツとロアビィだった。
そしてティファを手に入れたアルタネイティブは、
旧革命軍のMAを使い、フロスト兄弟ごとガロード達を消滅させようとしたのだった。
「状況は!」フリーデンに駆け込んだアムロを向かえたのはジャミルであった。
彼は艦長であって、後部デッキにいるのは相応しくない。
「サテライトキャノンで対抗する」ティファからの思念を頼りにすることで彼女を狙わないように。
「できるのか?」自分が代わろうか?と言いかけたアムロは、「フリーデンを頼む」というジャミルに遮られた。
ジャミルを見送り、自分のドートレスに乗り込むアムロ。テクスやサラからジャミルがムリに力を使えば傷つくだけと知るがもう遅い。
ガロードとティファとジャミル「三人を信じるしかない」、アムロはドートレスで出撃する。
フリーデンを狙うアシュタロンの攻撃をかわし、一撃を加えるアムロ。「ちぃ!ガンダムタイプにドートレスの火器ではダメか!」直撃の筈が。
だがGXのサテライトキャノンは見事に命中し、ティファを救うことに成功したのだ。
フロスト兄弟は撤退し、平穏な夜明けがやってくる。
「大丈夫か、ジャミル」「ああ、感謝する」「感謝?」「フリーデンを守ってくれたことに、だ」
そんな三十路と三十路一歩前の男二人に、ガロードとティファの会話が聞こえてきた。
「さぁ、帰ろうぜ!」 「『帰る』?」 「ああ! ジャミルのところに…なっ?」 「…うん」
ガロードはフリーデンを居場所に決めた。
そしてアムロもまた、その居場所を自然と受け入れているようであった。
「ナイスファイト!」スパナ片手にキッドが、「お疲れさまー」トニヤが、「やっぱり強いな」シンゴが、「ありがとうございます」サラが
アムロを向かえてくれる。そしてアムロはガロードを迎え入れた。
第五話「ただいま。そしてようこそ、ガロード=ラン」
フリーデンでアムロが異世界の住人であることを知っているのは艦長のジャミルと医者のテクスだけである。
異世界の人間だからどんな病原菌を持っているか、またこちらの世界の病気に抵抗力がないか判らない。
故にジャミルはテクスには事情を話し、彼に定期的に診察を受けさせるように言い含めていた。
その日もアムロは医務室に足を運んだ。どうやら先客がいたらしい。NTの少女がアムロを見返していた。
ララア=スンともカミーユ=ビダンとも違う印象を受ける。「貴方の世界でも哀しいことが沢山あったのですね……」「君達の世界程じゃない」
ティファが自分が異世界の人間であることを知っている事をアムロは不思議と疑問に思わなかった。
「……帰りたくないのですか?」「まさか。帰りたいよ」答えながら、しかし熱烈な帰郷心が浮かばないアムロであった。
あの後アクシズがどうなったのか?シャアは?ブライトは?それはある。しかし同時に自分の役割は終わったという気持ちも拭えなかった。
「NTは争いの道具じゃないって、俺も思ってる」だから今はジャミルに協力している。そうアムロは結論付けた。
「シャア=アズナブルができなかったから?」「ティファ、君はシャアを知っているのか?」「(首を振り)貴方の心の中にその名前がありました。強く……」
ティファとの会話を切り上げたアムロは、医務室の外に立っていたガロードと鉢合わせした。
もちろん、彼のお目当てはテクスでもなければアムロでもない。空いたドアから中の様子をうかがうガロードの若い姿に、アムロは少し気分が晴れたようだった。
一方でガロードからしてみれば中々ティファと話せない上、アムロがティファと仲良く(ガロードからはそうみえた)話しているものだから心模様は曇天だ。
フリーデンの仕事にも身が入らず、ミスを犯してしまう。ジャミルはガロードを咎める事をしなかったが、集団生活になれてない彼は素直に受け取れないでいた。
「懐かしいな。あの年頃の俺なら殴られてた」「軍隊ならそうだろう」「いや、艦長が若くてさ」アムロが14の時、ブライトは19だったのだ。
と、十代半ばを振り返り、見守るだけの余裕ができた満足気な二人に対し、さらに年上のテクスがジャミルのジャッジを批評した。
ガロードは優しくされることに慣れてない、と。ジャミルとアムロは互いに顔を見合わせた。結局自分達もまだまだ、らしい。
案の定、ガロードは飛び出した。目的地は旧連邦の動力施設。だがそこはバルチャーですら、決して触れない危険な施設だ。
そしてジャミルはガロードを助ける為、MSに乗って飛び出した。
「もう遅いよ!」キッドが言う。「ジャミルの奴…!」苛立たしげにアムロは壁を蹴った。フリーデンでガロードの他にMSに乗れるのはアムロしか居ない。
だが、アムロは別の世界の人間だ。帰る場所がある。だからジャミルは危険な動力施設にアムロを向かわせたくなかった。
アムロはそういう気遣いは無用だと、ジャミルが帰ってきたらハッキリ言ってやろうと思った。
そのガロードはエニルからの襲撃を受けていた。さらに動力炉の爆発が迫る。
エニルはそのリミットを察し引き上げたが、ジャミルが駆けつけるまでガロードは知る由も無かった。
「黙って走れ!」ジャミルはそんなガロードを叱咤し、動力施設から離れようとする。
フリーデン内では万が一に備えて乗員に防護服を配っていた。
そして運悪く、トニヤが「ガロードを励ます方法」としておいていったルージュをティファが手にしているのをサラが見てしまう。
彼女の敬愛するジャミルが命を賭けているのに……「不愉快だわ」サラは小さく吐き捨てた。
第五話「俺も、生き残る事だけを考えていたよ……」
異世界の人間だからどんな病原菌を持っているか、またこちらの世界の病気に抵抗力がないか判らない。
故にジャミルはテクスには事情を話し、彼に定期的に診察を受けさせるように言い含めていた。
その日もアムロは医務室に足を運んだ。どうやら先客がいたらしい。NTの少女がアムロを見返していた。
ララア=スンともカミーユ=ビダンとも違う印象を受ける。「貴方の世界でも哀しいことが沢山あったのですね……」「君達の世界程じゃない」
ティファが自分が異世界の人間であることを知っている事をアムロは不思議と疑問に思わなかった。
「……帰りたくないのですか?」「まさか。帰りたいよ」答えながら、しかし熱烈な帰郷心が浮かばないアムロであった。
あの後アクシズがどうなったのか?シャアは?ブライトは?それはある。しかし同時に自分の役割は終わったという気持ちも拭えなかった。
「NTは争いの道具じゃないって、俺も思ってる」だから今はジャミルに協力している。そうアムロは結論付けた。
「シャア=アズナブルができなかったから?」「ティファ、君はシャアを知っているのか?」「(首を振り)貴方の心の中にその名前がありました。強く……」
ティファとの会話を切り上げたアムロは、医務室の外に立っていたガロードと鉢合わせした。
もちろん、彼のお目当てはテクスでもなければアムロでもない。空いたドアから中の様子をうかがうガロードの若い姿に、アムロは少し気分が晴れたようだった。
一方でガロードからしてみれば中々ティファと話せない上、アムロがティファと仲良く(ガロードからはそうみえた)話しているものだから心模様は曇天だ。
フリーデンの仕事にも身が入らず、ミスを犯してしまう。ジャミルはガロードを咎める事をしなかったが、集団生活になれてない彼は素直に受け取れないでいた。
「懐かしいな。あの年頃の俺なら殴られてた」「軍隊ならそうだろう」「いや、艦長が若くてさ」アムロが14の時、ブライトは19だったのだ。
と、十代半ばを振り返り、見守るだけの余裕ができた満足気な二人に対し、さらに年上のテクスがジャミルのジャッジを批評した。
ガロードは優しくされることに慣れてない、と。ジャミルとアムロは互いに顔を見合わせた。結局自分達もまだまだ、らしい。
案の定、ガロードは飛び出した。目的地は旧連邦の動力施設。だがそこはバルチャーですら、決して触れない危険な施設だ。
そしてジャミルはガロードを助ける為、MSに乗って飛び出した。
「もう遅いよ!」キッドが言う。「ジャミルの奴…!」苛立たしげにアムロは壁を蹴った。フリーデンでガロードの他にMSに乗れるのはアムロしか居ない。
だが、アムロは別の世界の人間だ。帰る場所がある。だからジャミルは危険な動力施設にアムロを向かわせたくなかった。
アムロはそういう気遣いは無用だと、ジャミルが帰ってきたらハッキリ言ってやろうと思った。
そのガロードはエニルからの襲撃を受けていた。さらに動力炉の爆発が迫る。
エニルはそのリミットを察し引き上げたが、ジャミルが駆けつけるまでガロードは知る由も無かった。
「黙って走れ!」ジャミルはそんなガロードを叱咤し、動力施設から離れようとする。
フリーデン内では万が一に備えて乗員に防護服を配っていた。
そして運悪く、トニヤが「ガロードを励ます方法」としておいていったルージュをティファが手にしているのをサラが見てしまう。
彼女の敬愛するジャミルが命を賭けているのに……「不愉快だわ」サラは小さく吐き捨てた。
第五話「俺も、生き残る事だけを考えていたよ……」
キッドとアムロはメカ談義に花が咲きそうだな
フリーデンに戻ってきたGXは、コクピットを潰したドートレスを抱えていた。
フリーデンの乗組員に戦慄が走る。
ただ一人、年長者であり医者であるテクスだけが冷静に行動し、
すぐさまドートレスの中のジャミルを引き上げて手術を開始した。
アムロが感心したのはその後だった。
ジャミルの手術が成功したとテスクの報告を受けると、フリーデンのクルーは
いつもの調子を取り戻して、談笑しながらそれぞれの仕事をこなしている。
ただ一人を除いては。
「『出撃命令』!? そんなの出していないわ!」
ガロードがガンダムを持って家出をしたらしい。
アムロは思わず頭を抱えて暫く俯いてしまった。
テクスに不審がられるが、アムロはただ苦笑してかわすだけだった。
だってそうじゃないか。まさか「自分もやった事がある」なんてどんな顔で話せばいいんだ?
サラは一気に戦力の減ったフリーデンのカバーの為にロアビィ=ロイをバルチャーサインで呼び出す事に決めた。
ウィッツ=スーを呼ばないのは経済的な理由らしい。
シンゴがガロードに対して愚痴を溢していたが、サラは実務家らしく、口より先にペンが動いたようだ。
自分の時もこんな感じだったのだろうかと、アムロは考えたが
あの時のブライトがサラほどよくやっている姿は(彼には悪いが)想像できなかった。
だいたい、自分がスネた原因はブライトだった。
「帰ってくるのかなぁ…?」
サラも、シンゴも、勿論アムロも“家出”と単純に認識してたが、トニヤだけはそう口を洩らした。
その頃……
「ガンダム売るよ!」
……ガロードはGXをオークションに賭けていた。
「こりゃボビーだね」「手厳しいな」
忙しく回っているフリーデンクルーの中で、アムロは手持ち無沙汰で、自分はパイロットなのだし……と
ドートレスの改造案をキッドに持っていったら一蹴にされた。
これでも会心の出来だったのだが。気がついたら夜になってたぐらい、集中して仕上げた計画書を丸めたアムロは溜息を吐いた。
自分の意見が通らない事は慣れている。だいたい、連邦の上層部がΖか百式でもいいからロンドベルにまわしてくれていれば、
自分はこんな所に居なかったかも知れないのだ。詮のないことではあるが。
「ドートレスに不満があるの?」「ソフトの面で言えば操作性がいいのは分かるけど、俺はもっと過敏な方がいいな」
「へえ、そういう注文は初めてだよ。大抵のヤツが外装やら武器やら言ってくるんだけどさ」
「もちろん、最低限ガンダムタイプに有効な兵器は欲しい。いくら俺が白い悪魔なんて呼ばれてたからって、威力の無い兵器じゃ相手は倒せ…」
……そういえば昔輸送機でアッシマーを落とした事があった気がする。
「白い悪魔?」
記憶の中に韜晦しているアムロを、キッドの質問が釣り上げた。
「……いや、何でもない」
シャアじゃあるまいし、異名を誇るつもりはない。ましてここは別世界なのだから通用しない。
「それよりジープを貸してくれないかな?」「何に使うんだ?」「ガロードを迎えにいくのさ」
本当はティファが言った方がいいんだろうけど、とアムロは付け加えて笑った。
第七話「探しに来てくれた人がいると、案外帰りやすいもんさ」
フリーデンの乗組員に戦慄が走る。
ただ一人、年長者であり医者であるテクスだけが冷静に行動し、
すぐさまドートレスの中のジャミルを引き上げて手術を開始した。
アムロが感心したのはその後だった。
ジャミルの手術が成功したとテスクの報告を受けると、フリーデンのクルーは
いつもの調子を取り戻して、談笑しながらそれぞれの仕事をこなしている。
ただ一人を除いては。
「『出撃命令』!? そんなの出していないわ!」
ガロードがガンダムを持って家出をしたらしい。
アムロは思わず頭を抱えて暫く俯いてしまった。
テクスに不審がられるが、アムロはただ苦笑してかわすだけだった。
だってそうじゃないか。まさか「自分もやった事がある」なんてどんな顔で話せばいいんだ?
サラは一気に戦力の減ったフリーデンのカバーの為にロアビィ=ロイをバルチャーサインで呼び出す事に決めた。
ウィッツ=スーを呼ばないのは経済的な理由らしい。
シンゴがガロードに対して愚痴を溢していたが、サラは実務家らしく、口より先にペンが動いたようだ。
自分の時もこんな感じだったのだろうかと、アムロは考えたが
あの時のブライトがサラほどよくやっている姿は(彼には悪いが)想像できなかった。
だいたい、自分がスネた原因はブライトだった。
「帰ってくるのかなぁ…?」
サラも、シンゴも、勿論アムロも“家出”と単純に認識してたが、トニヤだけはそう口を洩らした。
その頃……
「ガンダム売るよ!」
……ガロードはGXをオークションに賭けていた。
「こりゃボビーだね」「手厳しいな」
忙しく回っているフリーデンクルーの中で、アムロは手持ち無沙汰で、自分はパイロットなのだし……と
ドートレスの改造案をキッドに持っていったら一蹴にされた。
これでも会心の出来だったのだが。気がついたら夜になってたぐらい、集中して仕上げた計画書を丸めたアムロは溜息を吐いた。
自分の意見が通らない事は慣れている。だいたい、連邦の上層部がΖか百式でもいいからロンドベルにまわしてくれていれば、
自分はこんな所に居なかったかも知れないのだ。詮のないことではあるが。
「ドートレスに不満があるの?」「ソフトの面で言えば操作性がいいのは分かるけど、俺はもっと過敏な方がいいな」
「へえ、そういう注文は初めてだよ。大抵のヤツが外装やら武器やら言ってくるんだけどさ」
「もちろん、最低限ガンダムタイプに有効な兵器は欲しい。いくら俺が白い悪魔なんて呼ばれてたからって、威力の無い兵器じゃ相手は倒せ…」
……そういえば昔輸送機でアッシマーを落とした事があった気がする。
「白い悪魔?」
記憶の中に韜晦しているアムロを、キッドの質問が釣り上げた。
「……いや、何でもない」
シャアじゃあるまいし、異名を誇るつもりはない。ましてここは別世界なのだから通用しない。
「それよりジープを貸してくれないかな?」「何に使うんだ?」「ガロードを迎えにいくのさ」
本当はティファが言った方がいいんだろうけど、とアムロは付け加えて笑った。
第七話「探しに来てくれた人がいると、案外帰りやすいもんさ」
「……見つからない」
大見得きって出てきたのであるが、土地勘がないのだから当然と言えば当然か。
いや、これでも元いた世界ではNTと呼ばれていた男
それにロンドベルはコロニーに潜伏するジオン残党の取り締まりが任務だった。
知らない街だからといって、ガロードの一人見つけられなくては今までの自分が泣くと言うものだ。
アムロは日が落ちるのを待った。
裏の情報筋という者達はどうしてか闇を好むのだ。
……その前にエンジンが逝かれたジープの修理をしなくてはならないが
(経費で落ちる、よな?)
俗っぽい事を考えながら入った修理屋で、アムロはGXの写真を見つけるのだった(ついでにレオパルドも)
当のガロードはガンダムを競り落としたエニルと決別し、相変わらず行く当てもない。
エニルの放った「独りぼっちは、寂しいものよ…」という言葉が、少年の心を握りしめる。
そんな彼を追う一つの影があり……
フリーデンにはロアビィとウィッツが合流した。
ウィッツは自分の金塊の隠し場所としてフリーデンを選んだのだ。
尤も、GX不在にジャミル重症は彼にとっては痛い計算外であったが。
そしてフリーデンにエニル達が襲いかかる。
ガロードを襲う影、それはガロードのGXを競りそこねた男だった。
予測してたにも関わらず、ガロードは男に馬乗りにされてしまう。
精神状態の悪さが、いつものガロードのしたたかさに曇りをかける。
しかし、一発の銃声がガロードを救った。その弾丸の主は……
「一度、君とはゆっくり話がしたかった…」
「再会を祝して、お茶でもどう? もちろん君のおごりでね」
フロスト兄弟だった。しかし、ガロードの顔には驚きが浮かんだままだ。
「金欠でね、できれば割り勘がいいな」
兄弟の背後に、良く知った赤毛の青年が銃を構えていたからだ。
「お前達のガンダムを倒し、天国に送る。それが、私達兄弟の望みなのでね」
不敗の自分達に傷をつけたGXを自分達の美学が許さない――兄弟はそう語った。
それはひどく芝居がかっているようにアムロには思えた。
心の底からそう思っている言葉ではない……というよりも、彼らにはもっと彼らを突き動かす怨念のようなものを感じる
アムロのフロスト兄弟の感想だった。
ガンダムに乗ることを断るガロードに、フロスト兄弟はフリーデンを襲うという恐喝を行う。
しかし、ガロードはフリーデンは無関係だと突っぱねた。
「無関係?君の隣にいる彼はフリーデンのクルーじゃないのかな?
ふふ……まさかお守りつきの家出中だなんて言わないよね、僕たちのライバルがさ」
挑発するオルバに食ってかかるガロードを宥めて、アムロは語った。
「ガロード、ロマンチズムで戦いを起こすのは単なるエゴだ。
だけど、帰れる場所があって、それを守りたいなら、それは理由になるはずだ」
エニル達とフリーデンの戦いを売りに来た情報屋が街で買い手を探し声を張り上げた
「バルチャーは、いるかい? 儲け話だぜ!
向こうの森で、ガンダムタイプが船を守ってドンパチやってるぜ!」
カフェの席から一人去り、二人去り、ガロードだけが残った。
「…行くしか、ないのか…?」
答えが出ている自問を口にだし、ガロードは席を立った。
フロスト兄弟のガンダムが飛び立つのをアムロは見上げていた。
MSとジープでは競争にもならない。しかしアムロは信じている。
第八話「ガロード・ランは、必ず行く!」
大見得きって出てきたのであるが、土地勘がないのだから当然と言えば当然か。
いや、これでも元いた世界ではNTと呼ばれていた男
それにロンドベルはコロニーに潜伏するジオン残党の取り締まりが任務だった。
知らない街だからといって、ガロードの一人見つけられなくては今までの自分が泣くと言うものだ。
アムロは日が落ちるのを待った。
裏の情報筋という者達はどうしてか闇を好むのだ。
……その前にエンジンが逝かれたジープの修理をしなくてはならないが
(経費で落ちる、よな?)
俗っぽい事を考えながら入った修理屋で、アムロはGXの写真を見つけるのだった(ついでにレオパルドも)
当のガロードはガンダムを競り落としたエニルと決別し、相変わらず行く当てもない。
エニルの放った「独りぼっちは、寂しいものよ…」という言葉が、少年の心を握りしめる。
そんな彼を追う一つの影があり……
フリーデンにはロアビィとウィッツが合流した。
ウィッツは自分の金塊の隠し場所としてフリーデンを選んだのだ。
尤も、GX不在にジャミル重症は彼にとっては痛い計算外であったが。
そしてフリーデンにエニル達が襲いかかる。
ガロードを襲う影、それはガロードのGXを競りそこねた男だった。
予測してたにも関わらず、ガロードは男に馬乗りにされてしまう。
精神状態の悪さが、いつものガロードのしたたかさに曇りをかける。
しかし、一発の銃声がガロードを救った。その弾丸の主は……
「一度、君とはゆっくり話がしたかった…」
「再会を祝して、お茶でもどう? もちろん君のおごりでね」
フロスト兄弟だった。しかし、ガロードの顔には驚きが浮かんだままだ。
「金欠でね、できれば割り勘がいいな」
兄弟の背後に、良く知った赤毛の青年が銃を構えていたからだ。
「お前達のガンダムを倒し、天国に送る。それが、私達兄弟の望みなのでね」
不敗の自分達に傷をつけたGXを自分達の美学が許さない――兄弟はそう語った。
それはひどく芝居がかっているようにアムロには思えた。
心の底からそう思っている言葉ではない……というよりも、彼らにはもっと彼らを突き動かす怨念のようなものを感じる
アムロのフロスト兄弟の感想だった。
ガンダムに乗ることを断るガロードに、フロスト兄弟はフリーデンを襲うという恐喝を行う。
しかし、ガロードはフリーデンは無関係だと突っぱねた。
「無関係?君の隣にいる彼はフリーデンのクルーじゃないのかな?
ふふ……まさかお守りつきの家出中だなんて言わないよね、僕たちのライバルがさ」
挑発するオルバに食ってかかるガロードを宥めて、アムロは語った。
「ガロード、ロマンチズムで戦いを起こすのは単なるエゴだ。
だけど、帰れる場所があって、それを守りたいなら、それは理由になるはずだ」
エニル達とフリーデンの戦いを売りに来た情報屋が街で買い手を探し声を張り上げた
「バルチャーは、いるかい? 儲け話だぜ!
向こうの森で、ガンダムタイプが船を守ってドンパチやってるぜ!」
カフェの席から一人去り、二人去り、ガロードだけが残った。
「…行くしか、ないのか…?」
答えが出ている自問を口にだし、ガロードは席を立った。
フロスト兄弟のガンダムが飛び立つのをアムロは見上げていた。
MSとジープでは競争にもならない。しかしアムロは信じている。
第八話「ガロード・ランは、必ず行く!」
火攻めにあうフリーデンに、フロスト兄弟が襲いかかる。
エニルは乱入者の存在を認めるとガンダム同士が戦う隙に本丸であるフリーデンに強襲をかけた。
フリーデンのブリッジに蒼い巨人が迫る……しかし!
「じゃ~んじゃじゃ~~ん! 天下無敵のモビルスーツ乗り、ガロード・ラン様が、ガンダムXと共に助けに来たぜぇ!」
GXの帰還で戦況は動き始める。
護衛機を得たフリーデンはサラの指示で炎を避けるために湖へ
エアマスターとレオパルドも支援に動く。
フロスト兄弟のガンダムはバルチャーに食い下がられ、三つ巴の体を為す戦場は混沌とし始めていた。
そして少年の行動は少女の心までも動かし始める。
「『船を止めろ』とは、どういうことなの?」……嶮しいサラの言葉に、ティファは言葉を詰まらせる。
NTの直感に合理的な説明を、それも15歳の少女に求めるのは難しい。
一方でNTの力は理屈を超越する……ブリッジクルーの意見は割れる。
裁を下したのは復活したばかりのジャミルだった。
「現場の判断より、彼女の意見を優先させるのですか!?」 「ティファの意見が無くとも、判断は変わらん!」
「フッフッフッ…。『灼熱の湖』にようこそ、諸君」
水の上に立つザコット。
敢えて退路を容易し、罠を仕掛ける……その可能性を忘れていたサラは
油を撒かていた湖に火が燃え移るのを呆然を見送るしかなかった。
「心配するな、大丈夫だ」
だが、燃え広がる不安を、ジャミルは力強く受けとめた。
『フリーデンはジャミル=ニートそのものだな』
ティファは思い出す。アムロという異世界の男の言葉を。
二人はNTという存在故に、その感じ方を論理的に説明するのは苦手ではあるが
その言葉の意味は大まかに述べれば『父性』という部分に集約される。
少なくとも歳をとり、世間の中で生きてきたアムロならばそう語るだろう。
クェス=パラヤという少女が求め、自分もシャアも与えることができなかったもの。
さらに付け加えるならば、NTの有無に関わらず、他人との関わり方を知らない
ガロードとティファでのジャミルへの本能的な信頼の差。
「息子は父親に反発するようにできているものだろ?」……とまではアムロもジャミルやティファの前では言わないが。
ガロードは敵の頭を叩く戦術に切り替える。守っていてはジリ貧だからだ。
普段の剽悍な性格に隠れているが、ガロードの判断力、決断力は光るものがある。
長くMS乗りをやっているウィッツやロアビィよりも早い。
だが……
「また逢えたわね、坊や」 「そ、その声は…エニル・エル!?」
ガロードはエニルに、ウィッツとロアビィはフロスト兄弟に阻まれる。
駒が一つ足りない。
強い焦りと危機感がガロードを埋め尽くし、それはNTであるティファをふるわせる。
「言う事を聞けば、仲間の命は助けてあげるわ」――エニルの誘い
「今からでも遅くないわ…。あなたの寂しさを埋めてあげてもいいわよ」――その言葉を
『違う!寂しさを埋める場所が帰る場所じゃ駄目なんだ!』
ガロードの脳裏にアムロの声が響く。
ティファを通してアムロのNTとしての力が距離を越えたのか。
ガロードには判らない。だが、決意は元より変わらない。
彼の中にはティファの姿が、フリーデンクルーの存在が、確かにある。
それをアムロは言葉にしただけだ。
だからこの言葉はより力強く放つことができる。
「俺の…俺の帰る場所は……この船なんだぁぁぁっっ!!!」
エニルは乱入者の存在を認めるとガンダム同士が戦う隙に本丸であるフリーデンに強襲をかけた。
フリーデンのブリッジに蒼い巨人が迫る……しかし!
「じゃ~んじゃじゃ~~ん! 天下無敵のモビルスーツ乗り、ガロード・ラン様が、ガンダムXと共に助けに来たぜぇ!」
GXの帰還で戦況は動き始める。
護衛機を得たフリーデンはサラの指示で炎を避けるために湖へ
エアマスターとレオパルドも支援に動く。
フロスト兄弟のガンダムはバルチャーに食い下がられ、三つ巴の体を為す戦場は混沌とし始めていた。
そして少年の行動は少女の心までも動かし始める。
「『船を止めろ』とは、どういうことなの?」……嶮しいサラの言葉に、ティファは言葉を詰まらせる。
NTの直感に合理的な説明を、それも15歳の少女に求めるのは難しい。
一方でNTの力は理屈を超越する……ブリッジクルーの意見は割れる。
裁を下したのは復活したばかりのジャミルだった。
「現場の判断より、彼女の意見を優先させるのですか!?」 「ティファの意見が無くとも、判断は変わらん!」
「フッフッフッ…。『灼熱の湖』にようこそ、諸君」
水の上に立つザコット。
敢えて退路を容易し、罠を仕掛ける……その可能性を忘れていたサラは
油を撒かていた湖に火が燃え移るのを呆然を見送るしかなかった。
「心配するな、大丈夫だ」
だが、燃え広がる不安を、ジャミルは力強く受けとめた。
『フリーデンはジャミル=ニートそのものだな』
ティファは思い出す。アムロという異世界の男の言葉を。
二人はNTという存在故に、その感じ方を論理的に説明するのは苦手ではあるが
その言葉の意味は大まかに述べれば『父性』という部分に集約される。
少なくとも歳をとり、世間の中で生きてきたアムロならばそう語るだろう。
クェス=パラヤという少女が求め、自分もシャアも与えることができなかったもの。
さらに付け加えるならば、NTの有無に関わらず、他人との関わり方を知らない
ガロードとティファでのジャミルへの本能的な信頼の差。
「息子は父親に反発するようにできているものだろ?」……とまではアムロもジャミルやティファの前では言わないが。
ガロードは敵の頭を叩く戦術に切り替える。守っていてはジリ貧だからだ。
普段の剽悍な性格に隠れているが、ガロードの判断力、決断力は光るものがある。
長くMS乗りをやっているウィッツやロアビィよりも早い。
だが……
「また逢えたわね、坊や」 「そ、その声は…エニル・エル!?」
ガロードはエニルに、ウィッツとロアビィはフロスト兄弟に阻まれる。
駒が一つ足りない。
強い焦りと危機感がガロードを埋め尽くし、それはNTであるティファをふるわせる。
「言う事を聞けば、仲間の命は助けてあげるわ」――エニルの誘い
「今からでも遅くないわ…。あなたの寂しさを埋めてあげてもいいわよ」――その言葉を
『違う!寂しさを埋める場所が帰る場所じゃ駄目なんだ!』
ガロードの脳裏にアムロの声が響く。
ティファを通してアムロのNTとしての力が距離を越えたのか。
ガロードには判らない。だが、決意は元より変わらない。
彼の中にはティファの姿が、フリーデンクルーの存在が、確かにある。
それをアムロは言葉にしただけだ。
だからこの言葉はより力強く放つことができる。
「俺の…俺の帰る場所は……この船なんだぁぁぁっっ!!!」
エニルを振り払ったガロードに、ジャミルから通信が入る。
この戦局を打破する策を携えて。
「ガロード…この危機を救えるのは、お前だけだ!」
ジャミルの合図でフリーデンとGXが動く。
その意図を、シャギア=フロストだけは理解し、即座に弟に撤退を促した。
「レーザーの照準合わせから、マイクロウェーブ到達まで4.03秒…! 間に合うか!?」
湖の中心にサテライトシステムのガイドレーザーが振り落ちる。
そして……
「来たっ!」
サテライトキャノンの膨大なエネルギー――マイクロウェーブが、GXの胸部コンデンサに向かい発射される。
それを全力でガロードは回避した。
行き場を失ったマイクロウェーブは水面に激突し……
「マイクロウェーブを直接湖に当てて、水蒸気爆発を起こさせるとはな。
それにこの、奇跡の雨か……。洒落てるな」
フリーデンのデッキでずぶ濡れになったジャミルを支えるテクスは語った。
そして……
「ガロード、赤い仮面を付けたヤツに見つかる前にジープを泥から抜け出すのを手伝ってくれ!」
近くまで来ていたアムロは、GXに向かって叫んでいた。
「アムロの声がさ、聞こえた気がしたんだ。帰るとこって寂しさを埋めるモンじゃないってさ。
もしかしてアムロってニュータイ…」
「ガロード、聞いているの!」サラの怒声にガロードは身を竦めた。
ジャミルの怪我が治る間、ウィッツとロアビィはフリーデンの専属になったらしい。
そしてガロードにはペナルティが課せられるというのだ。
「ま、我慢するんだな」笑うアムロに「貴方もです、アムロ。勝手に車で抜けだして。クルーの一員になった自覚を持って下さい」
10も年下の女性にぐうの音も出ないアムロにガロードはドラ声の笑いを隠そうともしない。
「この船に乗る限り、今後勝手な行動は許さん。ペナルティーとして、ティファの世話をするんだ。それからアムロはトイレ掃除一週間」
「おいおい、ペナルティに差がありすぎないか、ジャミル……」
癖っ毛を掻きながらアムロはぼやいた。
そこに、ティファが現れ……「ここが…私達の行くべき場所…」……ジャミルに、フリーデンに道を標した。
フリーデンを見送るフロスト兄弟は笑いあう。
「これで僕達は、宿命のライバルになれたかな? 兄さん」
「そう認識してもらわねば、我々の任務の遂行に支障をきたす。だがオルバよ……
この間の『僕達の美学』というセリフは、少しばかりやりすぎだと思うがな」
二人の思惑をあの会合で読み切る事はアムロにはできない。
僅かに胸のスミに、二人への警戒を残したまま、フリーデンのデッキでAWの世界を眺める。
「帰る場所は……貴方にとってどういう場所ですか?」
ティファの問いに、アムロは答える。――嬉しい場所だった、と。
一年戦争の時、そう思わなければ自分はララアの亡霊に惹かれて死んでいたのだ。
ティファはそんなアムロに疑問を抱く。「だった」と過去形で語ったアムロに。
アムロはティファが変わったと感じた。少なくともジャミルの為にNTの居る場所を示した。
ガロードと同じように、彼女も孤独と決別したのだろう。
入り口に赤いジャケットが映るを見つけ、アムロはデッキを後にする。
「な、何話してたんだよ」隠れきれずに入り口でアムロに見つかったガロードは照れ隠しに問う。
アムロはガロードをティファの方に押し出しながら答えた。
第九話「旅は今、始まったばかりさ……」
この戦局を打破する策を携えて。
「ガロード…この危機を救えるのは、お前だけだ!」
ジャミルの合図でフリーデンとGXが動く。
その意図を、シャギア=フロストだけは理解し、即座に弟に撤退を促した。
「レーザーの照準合わせから、マイクロウェーブ到達まで4.03秒…! 間に合うか!?」
湖の中心にサテライトシステムのガイドレーザーが振り落ちる。
そして……
「来たっ!」
サテライトキャノンの膨大なエネルギー――マイクロウェーブが、GXの胸部コンデンサに向かい発射される。
それを全力でガロードは回避した。
行き場を失ったマイクロウェーブは水面に激突し……
「マイクロウェーブを直接湖に当てて、水蒸気爆発を起こさせるとはな。
それにこの、奇跡の雨か……。洒落てるな」
フリーデンのデッキでずぶ濡れになったジャミルを支えるテクスは語った。
そして……
「ガロード、赤い仮面を付けたヤツに見つかる前にジープを泥から抜け出すのを手伝ってくれ!」
近くまで来ていたアムロは、GXに向かって叫んでいた。
「アムロの声がさ、聞こえた気がしたんだ。帰るとこって寂しさを埋めるモンじゃないってさ。
もしかしてアムロってニュータイ…」
「ガロード、聞いているの!」サラの怒声にガロードは身を竦めた。
ジャミルの怪我が治る間、ウィッツとロアビィはフリーデンの専属になったらしい。
そしてガロードにはペナルティが課せられるというのだ。
「ま、我慢するんだな」笑うアムロに「貴方もです、アムロ。勝手に車で抜けだして。クルーの一員になった自覚を持って下さい」
10も年下の女性にぐうの音も出ないアムロにガロードはドラ声の笑いを隠そうともしない。
「この船に乗る限り、今後勝手な行動は許さん。ペナルティーとして、ティファの世話をするんだ。それからアムロはトイレ掃除一週間」
「おいおい、ペナルティに差がありすぎないか、ジャミル……」
癖っ毛を掻きながらアムロはぼやいた。
そこに、ティファが現れ……「ここが…私達の行くべき場所…」……ジャミルに、フリーデンに道を標した。
フリーデンを見送るフロスト兄弟は笑いあう。
「これで僕達は、宿命のライバルになれたかな? 兄さん」
「そう認識してもらわねば、我々の任務の遂行に支障をきたす。だがオルバよ……
この間の『僕達の美学』というセリフは、少しばかりやりすぎだと思うがな」
二人の思惑をあの会合で読み切る事はアムロにはできない。
僅かに胸のスミに、二人への警戒を残したまま、フリーデンのデッキでAWの世界を眺める。
「帰る場所は……貴方にとってどういう場所ですか?」
ティファの問いに、アムロは答える。――嬉しい場所だった、と。
一年戦争の時、そう思わなければ自分はララアの亡霊に惹かれて死んでいたのだ。
ティファはそんなアムロに疑問を抱く。「だった」と過去形で語ったアムロに。
アムロはティファが変わったと感じた。少なくともジャミルの為にNTの居る場所を示した。
ガロードと同じように、彼女も孤独と決別したのだろう。
入り口に赤いジャケットが映るを見つけ、アムロはデッキを後にする。
「な、何話してたんだよ」隠れきれずに入り口でアムロに見つかったガロードは照れ隠しに問う。
アムロはガロードをティファの方に押し出しながら答えた。
第九話「旅は今、始まったばかりさ……」
乙
フォートセバーン……
戦後復興した北米にある雪に閉ざされたこの都市には、守護神がいる。
カリス=ノーティラス。自衛部隊のリーダー。そして……
「私は戦後の時代に生まれた、新しいニュータイプなのです」
フリーデンはティファの描いた絵の示した場所――フォートセバーンに向かっていた。
ティファの描いた絵は正確で、写真とほぼ一致したため、行動はスムーズだった。
「すごいもんだな、こっちのニュータイプは」関心するアムロにトニヤが返す。
「こっちの?」「い、いやなんでもない。それよりニュータイプを見つけてどうするんだ?」
ジャミルが言うには場合によってはティファのように保護する、
力を悪用されてるようならある程度強硬な手段も辞さない……
「でも、その本人が悪人だったりしたら、シャレんなんないわよね~! アハハハハッ……あれ?」
それが最悪のケースだな……トニヤの言葉にアムロは微志を定めた。
「はい、それはそこ! …う~んと、もう少し左かな~?
おぉっと! そいつは注意して運んでくれよ~? 年代物なんだからね」
フリーデンの一室でロアビィがクルーを駆り出して指示を飛ばしていた。
長期契約なので私財を投げ打って娯楽屋を作る気らしい。……事後承諾で。
そんな訳でサラにジャミルから承諾を得る代わりに女性は会費タダという交渉をロアビィは受けていた。
「丸くなったな」サラを差して語るアムロは丸い物体を抱えている。
「何ソレ?」「娯楽室にはマスコットもいるかと思ってさ」覗き込んだウィッツに、その丸い物体は
「ハロ!ハロ!」「うわ!こいつ、動くぞ!?」緑の悪魔……もとい、ペットロボのハロである。
「新手の仮面か何か?」「こんな仮面があるわけないだろ。ペットロボだよ」「へー、アムロってこういうの作れるんだ、カッワイイ~!」
ドートレスのカスタマイズの相談ついでに、キッドの所からパーツを貰って組み立てたらしい。
「簡単な作業ぐらいならできる」「そいつは便利だね。この娯楽室のマスターってトコ?」「ハロを雇いたいなら会費チャラが条件だ」
先述の交渉で女性陣は会費タダ、テクスとはビリヤードに敗れて会費タダ、アムロもハロ貸し出しで会費チャラ
さらに微笑ましい少年少女から会費とをとるわけにもいかず……
「タダの奴ばっかり!」ロアビィは叫んだ。
ティファが自分と同質の存在を感じられるなら、相手もまた同じ。
その道理をアムロはすっかり忘れていた。
戦闘配備について尚も、ただのバルチャーが相手だと思っていた。
血相を抱えたティファがMSデッキに現れるまでは。
「ティファは何を言いにきたんだ?」コクピットからメカニックのナインに尋ねる。
話によるとガロードを引き留めているらしい。
「ガロードが負ける?予知夢なのか」
「そんなことより、大丈夫ですか、このドートレス……言われたとおりに仕上げましたけど」
急な出撃でまだ一度も動かしていないのだ。
「問題ないさ。操縦は覚えた。速度には馴らしていけばいい。武器はGXと同型のサーベルと
キッドの作ったビームマシンガンだな。相手がガンダムタイプだって問題ないさ」
「いえ、実はエネルギーがドートレスのじゃ足りなくて」
「おいおい……」
本来増設する予定だったエネルギータンクを増設する時間がなかったというのだ。
「残量には気をつけるさ。早めにフリーデンに戻って補給する」
「お願いしますよ」「ガロードのフォローもな。出るらしい」
ティファを振り切ってGXに向かうガロードがドートレスのモニターに映る。
「どうでもいいけど、このドートレスの色は……」
「アムロの機体の色でしょう?チーフが。白い悪魔なんですから」
「……まあいいさ。アムロ=レイ、ドートレス先行するぞ!」
戦後復興した北米にある雪に閉ざされたこの都市には、守護神がいる。
カリス=ノーティラス。自衛部隊のリーダー。そして……
「私は戦後の時代に生まれた、新しいニュータイプなのです」
フリーデンはティファの描いた絵の示した場所――フォートセバーンに向かっていた。
ティファの描いた絵は正確で、写真とほぼ一致したため、行動はスムーズだった。
「すごいもんだな、こっちのニュータイプは」関心するアムロにトニヤが返す。
「こっちの?」「い、いやなんでもない。それよりニュータイプを見つけてどうするんだ?」
ジャミルが言うには場合によってはティファのように保護する、
力を悪用されてるようならある程度強硬な手段も辞さない……
「でも、その本人が悪人だったりしたら、シャレんなんないわよね~! アハハハハッ……あれ?」
それが最悪のケースだな……トニヤの言葉にアムロは微志を定めた。
「はい、それはそこ! …う~んと、もう少し左かな~?
おぉっと! そいつは注意して運んでくれよ~? 年代物なんだからね」
フリーデンの一室でロアビィがクルーを駆り出して指示を飛ばしていた。
長期契約なので私財を投げ打って娯楽屋を作る気らしい。……事後承諾で。
そんな訳でサラにジャミルから承諾を得る代わりに女性は会費タダという交渉をロアビィは受けていた。
「丸くなったな」サラを差して語るアムロは丸い物体を抱えている。
「何ソレ?」「娯楽室にはマスコットもいるかと思ってさ」覗き込んだウィッツに、その丸い物体は
「ハロ!ハロ!」「うわ!こいつ、動くぞ!?」緑の悪魔……もとい、ペットロボのハロである。
「新手の仮面か何か?」「こんな仮面があるわけないだろ。ペットロボだよ」「へー、アムロってこういうの作れるんだ、カッワイイ~!」
ドートレスのカスタマイズの相談ついでに、キッドの所からパーツを貰って組み立てたらしい。
「簡単な作業ぐらいならできる」「そいつは便利だね。この娯楽室のマスターってトコ?」「ハロを雇いたいなら会費チャラが条件だ」
先述の交渉で女性陣は会費タダ、テクスとはビリヤードに敗れて会費タダ、アムロもハロ貸し出しで会費チャラ
さらに微笑ましい少年少女から会費とをとるわけにもいかず……
「タダの奴ばっかり!」ロアビィは叫んだ。
ティファが自分と同質の存在を感じられるなら、相手もまた同じ。
その道理をアムロはすっかり忘れていた。
戦闘配備について尚も、ただのバルチャーが相手だと思っていた。
血相を抱えたティファがMSデッキに現れるまでは。
「ティファは何を言いにきたんだ?」コクピットからメカニックのナインに尋ねる。
話によるとガロードを引き留めているらしい。
「ガロードが負ける?予知夢なのか」
「そんなことより、大丈夫ですか、このドートレス……言われたとおりに仕上げましたけど」
急な出撃でまだ一度も動かしていないのだ。
「問題ないさ。操縦は覚えた。速度には馴らしていけばいい。武器はGXと同型のサーベルと
キッドの作ったビームマシンガンだな。相手がガンダムタイプだって問題ないさ」
「いえ、実はエネルギーがドートレスのじゃ足りなくて」
「おいおい……」
本来増設する予定だったエネルギータンクを増設する時間がなかったというのだ。
「残量には気をつけるさ。早めにフリーデンに戻って補給する」
「お願いしますよ」「ガロードのフォローもな。出るらしい」
ティファを振り切ってGXに向かうガロードがドートレスのモニターに映る。
「どうでもいいけど、このドートレスの色は……」
「アムロの機体の色でしょう?チーフが。白い悪魔なんですから」
「……まあいいさ。アムロ=レイ、ドートレス先行するぞ!」
敵はスノーボードに乗っている……と形容するのが相応しい、ある意味奇抜な機体だった。
「雪上戦闘用のMSか!」フォートセバーンに配備されているジュラッグだ。
アムロが知るよしもないが、ボード型のそれは宇宙革命軍が砂地や雪上での戦闘を想定した
スレッジと呼ばれるもので、ジュラッグも一律で寒冷地用に改造されている。
そしてAWに生きる人間なら、同型の機体が多数存在することは敵が相当の組織力を持った
危険な相手であると判断するだろう。実際、NTの予知を覆そうと流行ったガロードを除く
ウィッツとロアビィは慎重に行動している。
が
「しがみついていれば!」アムロのドートレスのライフルが、雪上をジャンプしたジュラッグを捉える。
スレッジによる雪上の移動は捉えるのは容易ではない。
だがスノーボーダーのようなジャンプを動作に入れることはアムロにとって撃って下さいと言っているようなものだ。
僅かな滞空時間、それは物理法則に支配される無防備な時間なのだ。
「威力が高い。これなら普通のドートレスのライフルで充分だった」
武器の選択を一瞬アムロは後悔する。
だが並走するジュラッグの背面に跳ぶと二機と串刺しにするように撃ち抜いた。これで節約になる。
「うっそぉ……」ブリッジではアムロの神業にトニヤが感嘆の声を挙げる。
ジャミルですら喉の奥で呻きを挙げていた。
だが、アムロの操縦技術に関心する一方、量産機とは明かに異なるMSがGXを圧倒しているのを忘れてはいない。
「あの白い機体……キュベレイか?」実際に見たことはないが、形状は似ていた。
世界が異なるが、類似する部分があるのは不思議ではない。向こうとこちらと、両方に『ガンダム』が存在したように。
「NTなのか」キュベレイから導き出される推論、それはあの白いMSがサイコミュを搭載しているのではいかというものだ。
そのアムロの予感は現実になる。
「そう…。僕がニュータイプだ」
「黙れ! お前がニュータイプなら、なおさら負けられないんだ!」
(逃げて、ガロード…! 今のあなたでは、その人に、勝てない!)
三人の少年と少女の思惑が交錯する中、ハッキリとした悪意がガロードに向けられたのをアムロは感じ取った。
「ちぃ……邪魔をするな!」ジュラッグを片付けて白いMS――ベルティゴに銃口を向ける
だが……「弾切れ!?」……カチ、カチ、と引き金の音だけが虚しく響く。
「特別な力を持たない人間が、この僕に勝てるはずが無いんです!」
ビットがGXを蚕食し、ガロードは気絶に追い込まれる。
「人々の幸せのため、至福に満ちた世界を築くために、貴方の命を使います」
ベルティゴのパイロットの言葉は、信念に満ちているようにみえるがその実、とても無垢なものに感じられた。
アムロは叫ぶ。
第十話「ニュータイプはそんなに便利じゃない!」
「雪上戦闘用のMSか!」フォートセバーンに配備されているジュラッグだ。
アムロが知るよしもないが、ボード型のそれは宇宙革命軍が砂地や雪上での戦闘を想定した
スレッジと呼ばれるもので、ジュラッグも一律で寒冷地用に改造されている。
そしてAWに生きる人間なら、同型の機体が多数存在することは敵が相当の組織力を持った
危険な相手であると判断するだろう。実際、NTの予知を覆そうと流行ったガロードを除く
ウィッツとロアビィは慎重に行動している。
が
「しがみついていれば!」アムロのドートレスのライフルが、雪上をジャンプしたジュラッグを捉える。
スレッジによる雪上の移動は捉えるのは容易ではない。
だがスノーボーダーのようなジャンプを動作に入れることはアムロにとって撃って下さいと言っているようなものだ。
僅かな滞空時間、それは物理法則に支配される無防備な時間なのだ。
「威力が高い。これなら普通のドートレスのライフルで充分だった」
武器の選択を一瞬アムロは後悔する。
だが並走するジュラッグの背面に跳ぶと二機と串刺しにするように撃ち抜いた。これで節約になる。
「うっそぉ……」ブリッジではアムロの神業にトニヤが感嘆の声を挙げる。
ジャミルですら喉の奥で呻きを挙げていた。
だが、アムロの操縦技術に関心する一方、量産機とは明かに異なるMSがGXを圧倒しているのを忘れてはいない。
「あの白い機体……キュベレイか?」実際に見たことはないが、形状は似ていた。
世界が異なるが、類似する部分があるのは不思議ではない。向こうとこちらと、両方に『ガンダム』が存在したように。
「NTなのか」キュベレイから導き出される推論、それはあの白いMSがサイコミュを搭載しているのではいかというものだ。
そのアムロの予感は現実になる。
「そう…。僕がニュータイプだ」
「黙れ! お前がニュータイプなら、なおさら負けられないんだ!」
(逃げて、ガロード…! 今のあなたでは、その人に、勝てない!)
三人の少年と少女の思惑が交錯する中、ハッキリとした悪意がガロードに向けられたのをアムロは感じ取った。
「ちぃ……邪魔をするな!」ジュラッグを片付けて白いMS――ベルティゴに銃口を向ける
だが……「弾切れ!?」……カチ、カチ、と引き金の音だけが虚しく響く。
「特別な力を持たない人間が、この僕に勝てるはずが無いんです!」
ビットがGXを蚕食し、ガロードは気絶に追い込まれる。
「人々の幸せのため、至福に満ちた世界を築くために、貴方の命を使います」
ベルティゴのパイロットの言葉は、信念に満ちているようにみえるがその実、とても無垢なものに感じられた。
アムロは叫ぶ。
第十話「ニュータイプはそんなに便利じゃない!」
乙!
ここで弾切れとは芸が細かい。
この後のジャミルの見せ場もちゃんとあると見た。
アムロ専用ドートレスかっけぇな
ヤラレ役の量産機から一気に不沈のエース機に格上げだな
「今僕に話しかけてきたのか貴方ですか……貴方のニュータイプなのですか?」
ガロードを人質にし、ティファを攫ったカリスがアムロの叫びを認識する。
「ニュータイプが何故、その力を否定するのです」
「否定はしていない!盲信はするなといっているんだ」
アムロの持つサイコフレームが耀きを増す。するとエネルギー切れをおこしていた筈の
ビームサーベルが刃を形成し、ベルティゴの腕先を切断した。
「この僕が読み切れなかった……やはりニュータイプ!」
しかし奇蹟は長く続かず、サイコフレームが耀きを失うと、ドートレスも沈黙した。
そのコクピットにベルティゴのライフルが突き付けられる。
「貴方も一緒に来て貰います」「……分かった。だが三人は狭いな」
カリスは指示を出し、アムロは自らドートレスを降りると、彼の部下のジュラッグに乗り込んだ。
ジャミルはキッドのGXの改良案を許可するとブリーフィングルームへと足を運んだ。
「あの野郎、ノコノコ敵についていくなんでどうゆうつもりだ!」
「ヘットハンティングってヤツじゃないの?アムロのあの腕、見たでしょ」
「もしそうだとしたら、私達は敵のニュータイプに加えて彼まで相手にしなくてはいけません」
「はん!上等だ。信用を裏切るヤツはMS乗りの風上にもおけねぇ!俺がぶっ潰してやる」
「正直、アムロにしてもニュータイプにしても、かなりキッツい相手だよねぇ。
あんなのが居てなんで今まで噂にならなかったのか不思議なくらい」
「アムロってさぁ~…全然自分の事話さなかったもんね。ま、そんなのみんな一緒だけどね」
喧々囂々のクルー達にジャミルは割ってはいる。
「アムロは元軍人だ」
「え?」「軍人って……」「そういえばアムロってキャプテンの1コ下だもんね」「なにぃ!?俺よか10も年上だってのかよ!?」
一通り騒いだのを待って、ジャミルは続けた。
「おそらく、相手の目的もまたニュータイプ集めだろう。アムロを求めたのもそういう理由だ」
「ちょっと待て、アムロもニュータイプだったってのかよ!」「まあ確かに、それならあの強さも納得だけど?」
「……戦中、私の他に沢山のニュータイプが居たと前に話したな。
ニュータイプにはティファのように生まれながらにその力を顕現させた者と
ある日突然、その力を覚醒させた者がいた。そのような者達は戦場で覚醒することが多かった」
「それでは……」やはりアムロはニュータイプなのか?と続けようとするサラをジャミルは遮った。
「ニュータイプの数が戦局を左右すると言ってもいい状況で、軍はニュータイプと思われる者、覚醒する可能性のある者
いわばニュータイプ候補と言える人間を集めていた。その主な条件は"戦場で著しい戦果を挙げた者"だ。
ニュータイプは兵士として優れていたからな。逆に言えば兵士として優れているものはニュータイプの可能性が強いということだ」
「そうか。アムロのあの強さを見れば相手はアムロをニュータイプだと思っても不思議じゃない訳か」
シンゴの言葉にジャミルは頷く。
「アムロはニュータイプではない」……少なくとも、コチラの世界におけるNTの定義からは外れる、とジャミルは知っていた。
「だが彼は特殊部隊にも所属していた……優れた軍人だ」これも嘘ではない。彼はロンド・ベルという特設部隊に居たらしい。
特殊部隊、という響きに皆が驚きの溜息を吐く。ロアビィなどは口笛を吹いた。
「そっかぁ~わかったわ!」「何がだよ」指を鳴らしたトニヤにウィッツが訊ねる。
「だから、そんなアムロがティファの側にいるってことは……」「ティファの安全確保の為に投降したということですね」「敵陣に伏兵を置いたって訳か」
「べ、別に俺もそれぐらい分かってたぜ」「ついでにティファを助け出してくれると楽なんだけどなぁ~」「馬鹿ねぇ、それじゃあガロードの立場ないじゃない」
暗く沈みかけていたフリーデンが少し明るさを取り戻し始めていた。
ガロードを人質にし、ティファを攫ったカリスがアムロの叫びを認識する。
「ニュータイプが何故、その力を否定するのです」
「否定はしていない!盲信はするなといっているんだ」
アムロの持つサイコフレームが耀きを増す。するとエネルギー切れをおこしていた筈の
ビームサーベルが刃を形成し、ベルティゴの腕先を切断した。
「この僕が読み切れなかった……やはりニュータイプ!」
しかし奇蹟は長く続かず、サイコフレームが耀きを失うと、ドートレスも沈黙した。
そのコクピットにベルティゴのライフルが突き付けられる。
「貴方も一緒に来て貰います」「……分かった。だが三人は狭いな」
カリスは指示を出し、アムロは自らドートレスを降りると、彼の部下のジュラッグに乗り込んだ。
ジャミルはキッドのGXの改良案を許可するとブリーフィングルームへと足を運んだ。
「あの野郎、ノコノコ敵についていくなんでどうゆうつもりだ!」
「ヘットハンティングってヤツじゃないの?アムロのあの腕、見たでしょ」
「もしそうだとしたら、私達は敵のニュータイプに加えて彼まで相手にしなくてはいけません」
「はん!上等だ。信用を裏切るヤツはMS乗りの風上にもおけねぇ!俺がぶっ潰してやる」
「正直、アムロにしてもニュータイプにしても、かなりキッツい相手だよねぇ。
あんなのが居てなんで今まで噂にならなかったのか不思議なくらい」
「アムロってさぁ~…全然自分の事話さなかったもんね。ま、そんなのみんな一緒だけどね」
喧々囂々のクルー達にジャミルは割ってはいる。
「アムロは元軍人だ」
「え?」「軍人って……」「そういえばアムロってキャプテンの1コ下だもんね」「なにぃ!?俺よか10も年上だってのかよ!?」
一通り騒いだのを待って、ジャミルは続けた。
「おそらく、相手の目的もまたニュータイプ集めだろう。アムロを求めたのもそういう理由だ」
「ちょっと待て、アムロもニュータイプだったってのかよ!」「まあ確かに、それならあの強さも納得だけど?」
「……戦中、私の他に沢山のニュータイプが居たと前に話したな。
ニュータイプにはティファのように生まれながらにその力を顕現させた者と
ある日突然、その力を覚醒させた者がいた。そのような者達は戦場で覚醒することが多かった」
「それでは……」やはりアムロはニュータイプなのか?と続けようとするサラをジャミルは遮った。
「ニュータイプの数が戦局を左右すると言ってもいい状況で、軍はニュータイプと思われる者、覚醒する可能性のある者
いわばニュータイプ候補と言える人間を集めていた。その主な条件は"戦場で著しい戦果を挙げた者"だ。
ニュータイプは兵士として優れていたからな。逆に言えば兵士として優れているものはニュータイプの可能性が強いということだ」
「そうか。アムロのあの強さを見れば相手はアムロをニュータイプだと思っても不思議じゃない訳か」
シンゴの言葉にジャミルは頷く。
「アムロはニュータイプではない」……少なくとも、コチラの世界におけるNTの定義からは外れる、とジャミルは知っていた。
「だが彼は特殊部隊にも所属していた……優れた軍人だ」これも嘘ではない。彼はロンド・ベルという特設部隊に居たらしい。
特殊部隊、という響きに皆が驚きの溜息を吐く。ロアビィなどは口笛を吹いた。
「そっかぁ~わかったわ!」「何がだよ」指を鳴らしたトニヤにウィッツが訊ねる。
「だから、そんなアムロがティファの側にいるってことは……」「ティファの安全確保の為に投降したということですね」「敵陣に伏兵を置いたって訳か」
「べ、別に俺もそれぐらい分かってたぜ」「ついでにティファを助け出してくれると楽なんだけどなぁ~」「馬鹿ねぇ、それじゃあガロードの立場ないじゃない」
暗く沈みかけていたフリーデンが少し明るさを取り戻し始めていた。
「違うな。彼はニュータイプではない」「そうですか。ですか並ならぬパイロットです」
フォートセバーン市長であるノモアは、ティファとアムロの身体調査をカリスに報告していた。
「私達の目的の為に、ぜひ味方に引き入れるべきです」「だが、ジュラッグのパイロットは死んでいなかったのだろう?」
「はい、喜ばしいことです……(ッ!)……ですが、殺すこともできたのに敢えてそれをしなかった技量を認めるべきです」
ノモアの脳裏にあったのは、人を殺せない男が役に立つのか?という疑問だった。それをカリスはNTの力で読んだのだ。
「兎に角、ティファも彼も僕に任せてください。我々の理想を必ず理解して貰います」
「アムロという男はいいが、ティファは駄目だ」ノモアはじっとカリスを見つめる。
「しっかりとデータを取ってからでないと、お前と彼女の力が、どういう形で共鳴するかわからんのだ」
自分に反感の心を向けはじめている少年に、ノモアは理解を求めるように諭した。
「世界統一のためだ。個人的な感情は捨ててかかってくれ」
今頃キッド達はデスマーチだろう……軟禁されているアムロはそんなことを考えていた。
GXを始めMSは酷いダメージだったし、フロスト兄弟が襲いかかってくる可能性を考えると
ノンビリと修理をしている訳にもいかない。メカニックの辛さはカラバやロンドベルにいたアムロにはよく分かる。
「失礼します。お食事をお持ちしました」フォートセバーンの自衛部隊の制服を着た少女がトレイを持って部屋に入る。
何か聞き出せないかと、アムロは2、3、会話を持ちかけた。
「ユウリ=アジッサ?」彼女の名前を聞いてアムロは眉を顰める。
「何か?」「どこかで会った名前だと思ってね」「駄目ですよ、そういうの。私には恋人がいるんですから」
そういうつもりじゃない……とアムロが困っているとカリスが現れた。
カリスは彼女を下がらせるとアムロに問う。なぜコクピットを外したのかと。
「個人として人を殺すだけの悪辣さは持ち合わせてないだけさ」アムロはそう答えたが
実際はこの世界でイレギュラーである自分が人を殺す影響を考えて、だ。
「ヒューマニズムですか」「いや、ただのエゴだよ」
余裕があるならそうするだけで、それに引っ張られて自分が死ぬつもりはない。
「ティファとはもう話したかい?」「貴方には分かるはずです。NTに距離は関係ない」「俺はNTじゃない」
やはり黒幕がいるな、とティファと会うのを止められているらしいカリスをアムロは見上げた。
「僕にはあなたがニュータイプでないというのは信じられないのですが……
今回はそういう話をしにきたのではありません。貴方に僕たちの力となって欲しいのです」
その頃、フリーデンはアムロの予測通り、フロスト兄弟の攻撃を受けていた。
さらにその苦衷の中でキャプテンであるジャミルが不在。
ロアビィとウィッツは劣勢に立たされていた。
「僕はこのニュータイプの力で平和を、幸福な世界を勝ち取ります。それが力を持つ者の使命であるからです」
アムロは首を振った。カリスの理想はアムロには決して受け入れることのできないものだ。
NTによる使命を認めるのは、シャア=アズナブルによる粛清を認めるのと同意義だ。
ジャミルはガロードを連れてGコンを氷った湖の上に投げた。
戻る気があるなら取ってこいと告げる。取りに行けば氷が割れるかも知れない
だが……「"特別な力"はいらん」……ガロードは走った。
「なぜです!多くの人を救うことができる社会を何故貴方は望まないのです!
……貴方は所詮バルチャーなのですね。新しい人類になる資格のない人間だ!」
アムロは哀しそうにカリスに向かって告げた。
第十一話「エゴだよ、それは」
フォートセバーン市長であるノモアは、ティファとアムロの身体調査をカリスに報告していた。
「私達の目的の為に、ぜひ味方に引き入れるべきです」「だが、ジュラッグのパイロットは死んでいなかったのだろう?」
「はい、喜ばしいことです……(ッ!)……ですが、殺すこともできたのに敢えてそれをしなかった技量を認めるべきです」
ノモアの脳裏にあったのは、人を殺せない男が役に立つのか?という疑問だった。それをカリスはNTの力で読んだのだ。
「兎に角、ティファも彼も僕に任せてください。我々の理想を必ず理解して貰います」
「アムロという男はいいが、ティファは駄目だ」ノモアはじっとカリスを見つめる。
「しっかりとデータを取ってからでないと、お前と彼女の力が、どういう形で共鳴するかわからんのだ」
自分に反感の心を向けはじめている少年に、ノモアは理解を求めるように諭した。
「世界統一のためだ。個人的な感情は捨ててかかってくれ」
今頃キッド達はデスマーチだろう……軟禁されているアムロはそんなことを考えていた。
GXを始めMSは酷いダメージだったし、フロスト兄弟が襲いかかってくる可能性を考えると
ノンビリと修理をしている訳にもいかない。メカニックの辛さはカラバやロンドベルにいたアムロにはよく分かる。
「失礼します。お食事をお持ちしました」フォートセバーンの自衛部隊の制服を着た少女がトレイを持って部屋に入る。
何か聞き出せないかと、アムロは2、3、会話を持ちかけた。
「ユウリ=アジッサ?」彼女の名前を聞いてアムロは眉を顰める。
「何か?」「どこかで会った名前だと思ってね」「駄目ですよ、そういうの。私には恋人がいるんですから」
そういうつもりじゃない……とアムロが困っているとカリスが現れた。
カリスは彼女を下がらせるとアムロに問う。なぜコクピットを外したのかと。
「個人として人を殺すだけの悪辣さは持ち合わせてないだけさ」アムロはそう答えたが
実際はこの世界でイレギュラーである自分が人を殺す影響を考えて、だ。
「ヒューマニズムですか」「いや、ただのエゴだよ」
余裕があるならそうするだけで、それに引っ張られて自分が死ぬつもりはない。
「ティファとはもう話したかい?」「貴方には分かるはずです。NTに距離は関係ない」「俺はNTじゃない」
やはり黒幕がいるな、とティファと会うのを止められているらしいカリスをアムロは見上げた。
「僕にはあなたがニュータイプでないというのは信じられないのですが……
今回はそういう話をしにきたのではありません。貴方に僕たちの力となって欲しいのです」
その頃、フリーデンはアムロの予測通り、フロスト兄弟の攻撃を受けていた。
さらにその苦衷の中でキャプテンであるジャミルが不在。
ロアビィとウィッツは劣勢に立たされていた。
「僕はこのニュータイプの力で平和を、幸福な世界を勝ち取ります。それが力を持つ者の使命であるからです」
アムロは首を振った。カリスの理想はアムロには決して受け入れることのできないものだ。
NTによる使命を認めるのは、シャア=アズナブルによる粛清を認めるのと同意義だ。
ジャミルはガロードを連れてGコンを氷った湖の上に投げた。
戻る気があるなら取ってこいと告げる。取りに行けば氷が割れるかも知れない
だが……「"特別な力"はいらん」……ガロードは走った。
「なぜです!多くの人を救うことができる社会を何故貴方は望まないのです!
……貴方は所詮バルチャーなのですね。新しい人類になる資格のない人間だ!」
アムロは哀しそうにカリスに向かって告げた。
第十一話「エゴだよ、それは」
ここで逆シャアがくるかw
復活したガロードとGXの新装備・ディバイダーの活躍によってフロスト兄弟は退けられた。
さらにキッドの開発したシミュレーターで訓練を積み、対カリスに向けてフリーデンは準備を整えるのだった。
しかし、その準備は容易には進まず、一方のカリスもまた同胞であるティファとの会合を阻まれていた。
「少し痩せましたか?」「さあね。鏡を見る機会がないからな。ティファは大丈夫かな?」
「丁重に扱うよう命じています」「カリスは知らないのか?」
沈黙したカリスに対して、アムロは続けた。
「ティファのこと、気にしているよな?」「……肯定しましょう。彼女は僕と同じNT、選ばれた人間だ」
「それは違うな」アムロは即座に否定した。
宇宙に進出した人類が意識を拡大させた結果がNTであるならば
それは広大無辺な真空の闇の中で人が他者を求めた証左に違いない。
そう、だからシャアはNTになりきれなかったのだ。
だがシャアはNTを求めた。他人を拒絶しながら、人の温もりを求めていたのだ。
「このままではキミは取り返しのつかないことになる」
「それは貴方のニュータイプとしての力ですか」「いや、経験だよ」
「大人ぶるんですね」「大人だからな」「だから愚かなんだ、古い人類は」
カリスのその言葉に、アムロはこの世界の本質を覗き見た。
戦後に生まれた人間は、憎んでいるのだ。この荒廃した世界を造った過去を。
「僕には力がある……だから失敗などしない」
ニュータイプと戦う力、ティファを助ける力、ガロードは力を求めていた。
だが彼は自分の限界を知っている。それでも止められない衝動をジャミルは許した。
単身フォートセバーンに潜入するガロード。
そこで彼はエニル=エルとノモア市長の会話を聞いてしまう。
エニルの父とノモアが元・宇宙革命軍の軍人、ノモアは技術者であったこと。
そして戦争が終わっても彼の中の戦いは終わってないこと。
「市民達には平和を謳い、カリスの前では世界統一を唱え、訴えていますが……
私の真の目的は、地球人類の粛清にあります」
その為の『ライラック作戦』……15年前に失敗したノモアの悲願、
NT用巨大モビルアーマー・パトゥーリアとベルティゴ5機によるニュータイプ部隊の降下作戦である。
今、そのパトゥーリアはフォートセバーンの地下に眠っている。
そしてそのパイロットは……
「正直困っています。ティファとカリス、どちらをパイロットにするか……」
「カリスという子は、博士の『作品』なんでしょ?」
「そうです。私の最高傑作です。今までこしらえた中では最も能力が高く、乱れも少ない……
人工ニュータイプとしては、ほぼ完成体と言って良いでしょう」
ガロード不在のフリーデンにオルバ=フロストが強襲する。
自分のミスで兄を傷つけた事への苛立ちと、兄を傷つけたフリーデンへの憎しみを乗せて。
一方その頃、フォートセバーンでは……
「ざわついた空気を感じる……来たのか、ガロード?」
アムロは部屋を脱出していた。彼は病気のフリをして門番を騙したのだ。
その為にワザと運ばれていた食事を食べるフリをして捨て、絶食し顔色を悪くしていた。
アムロは直感だけでガロードの元へ向かおうとしていた。
おそらくそこにはティファもいる。ティファがいるなら自分を導いてくれている筈だ。
かつての自分がホワイトベースの仲間達を導いたように。
さらにキッドの開発したシミュレーターで訓練を積み、対カリスに向けてフリーデンは準備を整えるのだった。
しかし、その準備は容易には進まず、一方のカリスもまた同胞であるティファとの会合を阻まれていた。
「少し痩せましたか?」「さあね。鏡を見る機会がないからな。ティファは大丈夫かな?」
「丁重に扱うよう命じています」「カリスは知らないのか?」
沈黙したカリスに対して、アムロは続けた。
「ティファのこと、気にしているよな?」「……肯定しましょう。彼女は僕と同じNT、選ばれた人間だ」
「それは違うな」アムロは即座に否定した。
宇宙に進出した人類が意識を拡大させた結果がNTであるならば
それは広大無辺な真空の闇の中で人が他者を求めた証左に違いない。
そう、だからシャアはNTになりきれなかったのだ。
だがシャアはNTを求めた。他人を拒絶しながら、人の温もりを求めていたのだ。
「このままではキミは取り返しのつかないことになる」
「それは貴方のニュータイプとしての力ですか」「いや、経験だよ」
「大人ぶるんですね」「大人だからな」「だから愚かなんだ、古い人類は」
カリスのその言葉に、アムロはこの世界の本質を覗き見た。
戦後に生まれた人間は、憎んでいるのだ。この荒廃した世界を造った過去を。
「僕には力がある……だから失敗などしない」
ニュータイプと戦う力、ティファを助ける力、ガロードは力を求めていた。
だが彼は自分の限界を知っている。それでも止められない衝動をジャミルは許した。
単身フォートセバーンに潜入するガロード。
そこで彼はエニル=エルとノモア市長の会話を聞いてしまう。
エニルの父とノモアが元・宇宙革命軍の軍人、ノモアは技術者であったこと。
そして戦争が終わっても彼の中の戦いは終わってないこと。
「市民達には平和を謳い、カリスの前では世界統一を唱え、訴えていますが……
私の真の目的は、地球人類の粛清にあります」
その為の『ライラック作戦』……15年前に失敗したノモアの悲願、
NT用巨大モビルアーマー・パトゥーリアとベルティゴ5機によるニュータイプ部隊の降下作戦である。
今、そのパトゥーリアはフォートセバーンの地下に眠っている。
そしてそのパイロットは……
「正直困っています。ティファとカリス、どちらをパイロットにするか……」
「カリスという子は、博士の『作品』なんでしょ?」
「そうです。私の最高傑作です。今までこしらえた中では最も能力が高く、乱れも少ない……
人工ニュータイプとしては、ほぼ完成体と言って良いでしょう」
ガロード不在のフリーデンにオルバ=フロストが強襲する。
自分のミスで兄を傷つけた事への苛立ちと、兄を傷つけたフリーデンへの憎しみを乗せて。
一方その頃、フォートセバーンでは……
「ざわついた空気を感じる……来たのか、ガロード?」
アムロは部屋を脱出していた。彼は病気のフリをして門番を騙したのだ。
その為にワザと運ばれていた食事を食べるフリをして捨て、絶食し顔色を悪くしていた。
アムロは直感だけでガロードの元へ向かおうとしていた。
おそらくそこにはティファもいる。ティファがいるなら自分を導いてくれている筈だ。
かつての自分がホワイトベースの仲間達を導いたように。
「お前がニュータイプだと思っているその力は、人間によって造られたもんだったんだぞ!」
「そう。僕は、元は普通の人間だった。でも、僕は力が欲しかったんです。
だから、ノモア博士にお願いして人工ニュータイプとなった」
「なんだって!?」
「昔の僕は、平凡でつまらない人間でした。でも、僕はこの世界の変革を願って止まなかった。
その為には力がいる。人を超えた力が必要だったのです」
「カリス、君は……」
ガロード、ティファ、カリスの集まる場所へ、アムロもまた引き寄せられる。
そこで語られる、カリスの真実。カリスの願い。
「誰にだって経験があるでしょう。"人を超える絶対的な力を手にしたい"って思ったことを……
僕はそれを実践したまでです。いつの日か、選ばれた心正しき者が僕のようにニュータイプと同じ力を持つようになる。
そうなれば、この世界には真の意味で平和な千年王国が築ける……僕はその大いなる計画の先兵なのです」
「確かに、俺も力が欲しいと思った……
けど、違う! それってなんかわかんないけど違うだろ!?」
「カリス、NTの力は他者を越える為の道具じゃない!力をそういう風に使うことで平和などつくれないんだ!わかるんだよ!」
「ではティファ、彼女は何のためにこの力を得たというのです。あなた方は彼女を否定するのですか?」
自然環境下にあって、ニュータイプの発生はありえない……ノモアにそう教えられていたカリスは
ティファに向かって語る。彼女も人工ニュータイプである、自分の同胞であると信じて。
だが、ティファは生まれたときからその力を持っていた。純正のNTなのだ。
「馬鹿な…それじゃあ君は……僕は……」
「カリス、邪念を捨てるんだ!!」
悩乱するカリスに、アムロが叫ぶ。
フォートセバーンの吹雪が、キリマンジェロを思い出させる。
黒いガンダムに乗った強化人間の少女の事を。
彼女を救えなかったカミーユの姿を。
「そこまでだ。君たちは知りすぎてしまったようだ……」
ノモアとエニルが銃口を構える。さらに外ではアシュタロンが街に雪崩れ込んできていた。
ガラスが割れる。それは千載一遇の脱出のチャンスに思えた。
だが、カリスの存在がガロードの足を躊躇わせる。
「カリス!来い!俺と一緒に!!」
動揺するカリス……しかしエニルの銃弾は容赦なくガロードを狙い……
「舌を噛むなよ!」アムロは即座にガロードとティファを抱えて飛び出した。
そうしながら、その冷静な自分の行動をどこか情けなく思っている。
カリスを救う事をあっさりと諦めた自分の行動に。
第十二話「人は過ちを繰り返す……まったくっ」
「そう。僕は、元は普通の人間だった。でも、僕は力が欲しかったんです。
だから、ノモア博士にお願いして人工ニュータイプとなった」
「なんだって!?」
「昔の僕は、平凡でつまらない人間でした。でも、僕はこの世界の変革を願って止まなかった。
その為には力がいる。人を超えた力が必要だったのです」
「カリス、君は……」
ガロード、ティファ、カリスの集まる場所へ、アムロもまた引き寄せられる。
そこで語られる、カリスの真実。カリスの願い。
「誰にだって経験があるでしょう。"人を超える絶対的な力を手にしたい"って思ったことを……
僕はそれを実践したまでです。いつの日か、選ばれた心正しき者が僕のようにニュータイプと同じ力を持つようになる。
そうなれば、この世界には真の意味で平和な千年王国が築ける……僕はその大いなる計画の先兵なのです」
「確かに、俺も力が欲しいと思った……
けど、違う! それってなんかわかんないけど違うだろ!?」
「カリス、NTの力は他者を越える為の道具じゃない!力をそういう風に使うことで平和などつくれないんだ!わかるんだよ!」
「ではティファ、彼女は何のためにこの力を得たというのです。あなた方は彼女を否定するのですか?」
自然環境下にあって、ニュータイプの発生はありえない……ノモアにそう教えられていたカリスは
ティファに向かって語る。彼女も人工ニュータイプである、自分の同胞であると信じて。
だが、ティファは生まれたときからその力を持っていた。純正のNTなのだ。
「馬鹿な…それじゃあ君は……僕は……」
「カリス、邪念を捨てるんだ!!」
悩乱するカリスに、アムロが叫ぶ。
フォートセバーンの吹雪が、キリマンジェロを思い出させる。
黒いガンダムに乗った強化人間の少女の事を。
彼女を救えなかったカミーユの姿を。
「そこまでだ。君たちは知りすぎてしまったようだ……」
ノモアとエニルが銃口を構える。さらに外ではアシュタロンが街に雪崩れ込んできていた。
ガラスが割れる。それは千載一遇の脱出のチャンスに思えた。
だが、カリスの存在がガロードの足を躊躇わせる。
「カリス!来い!俺と一緒に!!」
動揺するカリス……しかしエニルの銃弾は容赦なくガロードを狙い……
「舌を噛むなよ!」アムロは即座にガロードとティファを抱えて飛び出した。
そうしながら、その冷静な自分の行動をどこか情けなく思っている。
カリスを救う事をあっさりと諦めた自分の行動に。
第十二話「人は過ちを繰り返す……まったくっ」
アムロいい保護者だなぁw
アシュタロンと戦うMS……それはGXだった。
「でも、いったい誰が!?」 「あの人です」
GXに乗るのはジャミル=ニート。コクピット恐怖症だった男だ。
「克服したのか、ジャミル……ガロードの影響かな」「へ?俺?」
アムロはGXの姿を見上げながら呟いた。
少年の心は、時として成人男子に伝染する……よくある例だ。
(ノモア市長は僕に嘘をついていた……でも市長は僕の全てだ。
……なら僕は……何を信じればいい……?)
ベルティゴでガロードを追いかけるカリスは、しかし混乱の中にあった。
ジャミルはアシュタロンをウィッツとロアビィに任せ、ガロード達の救出へと向かう。
「…とにかく今は、命令を遂行する!」
カリスの攻撃を、GXが防ぐ。
「GXに乗っているのは別のパイロットか!だが古き人類である限り、僕には勝てない!!」
ベルティゴのビットが展開する。だが、GXはそのビットを撃ち落とした。
「バカな…っ!もしや、あのパイロットもニュータイプ!?
いや、違う!! ならば僕が感じるはずだ!!」
カリスの焦りは悲鳴に近い。
「凄いな、ジャミルは……勘を殺してビットを撃ち落としている」
精神波でコントロールされていても、動いているのは物理的な物体……ならば予測ができる。
「ガロード、よく見ていろ。お前にも出来るはずだ」
「俺も……ハッ!見える!俺にも見えるよ、アムロ!」
「うぅぅぅぁあああっっっ! はぁっ、ああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
(ベルティゴから敵意が消えた……?)
代わりにアムロが白い魔神から感じたのは混乱と苦しみだった。
それは理知的なものではなく、生理的なものだ。
その正体は『シナップス・シンドローム』
人工ニュータイプであるカリスに起こる死に等しい苦しみであった。
本来は月に一度の周期でしか起こらず、事前にノモアの処置を受ければ痛みも殆ど無い。
だが、今回はティファとの接触によって早まったようだった。
「でも、いったい誰が!?」 「あの人です」
GXに乗るのはジャミル=ニート。コクピット恐怖症だった男だ。
「克服したのか、ジャミル……ガロードの影響かな」「へ?俺?」
アムロはGXの姿を見上げながら呟いた。
少年の心は、時として成人男子に伝染する……よくある例だ。
(ノモア市長は僕に嘘をついていた……でも市長は僕の全てだ。
……なら僕は……何を信じればいい……?)
ベルティゴでガロードを追いかけるカリスは、しかし混乱の中にあった。
ジャミルはアシュタロンをウィッツとロアビィに任せ、ガロード達の救出へと向かう。
「…とにかく今は、命令を遂行する!」
カリスの攻撃を、GXが防ぐ。
「GXに乗っているのは別のパイロットか!だが古き人類である限り、僕には勝てない!!」
ベルティゴのビットが展開する。だが、GXはそのビットを撃ち落とした。
「バカな…っ!もしや、あのパイロットもニュータイプ!?
いや、違う!! ならば僕が感じるはずだ!!」
カリスの焦りは悲鳴に近い。
「凄いな、ジャミルは……勘を殺してビットを撃ち落としている」
精神波でコントロールされていても、動いているのは物理的な物体……ならば予測ができる。
「ガロード、よく見ていろ。お前にも出来るはずだ」
「俺も……ハッ!見える!俺にも見えるよ、アムロ!」
「うぅぅぅぁあああっっっ! はぁっ、ああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
(ベルティゴから敵意が消えた……?)
代わりにアムロが白い魔神から感じたのは混乱と苦しみだった。
それは理知的なものではなく、生理的なものだ。
その正体は『シナップス・シンドローム』
人工ニュータイプであるカリスに起こる死に等しい苦しみであった。
本来は月に一度の周期でしか起こらず、事前にノモアの処置を受ければ痛みも殆ど無い。
だが、今回はティファとの接触によって早まったようだった。
ベルティゴは撤退し、アシュタロンも復活したシャギアがオルバを制し撤退を促した。
そしてフリーデンは久々にフルメンバーが集まったのだった。
しかし、それを祝うにはガロードの持ってきた情報は楽観的ではなかった。
「マッドサイエンティストだな」アムロもNT研究所に入れられた経緯もあり、あまりいい感情は持っていない。
「いや、過去の亡霊だ」ジャミルは当事者だけに根底に流れる憎しみを理解していた。
パトゥーリアを見上げるノモアはエニルに語る。
「カリスは純粋だからな。説得は難しいが、欺くのは容易い。
"パトゥーリアが動く時こそ、戦後世界に真実の平和をもたらす戦いの始まりである"
と、常々教えてある。死んでいった戦友と同じ苦しみを、地球の奴らにも教えてやる!」
そんな彼をエニルはこう評するのだった。「フッ…悪い大人だわ……」
アムロは戦いに向けてドートレスの装備に注文を付けていた。
「ベストはパトゥーリア起動前に決着をつけること。
だが、パトゥーリアが動き出した場合、巨大MA戦を想定する必要がある」
戻ってみれば「百戦錬磨の軍人」という事になっていて(間違いではないが)
アムロはウィッツやロアビィに戦術支持をする立場に追いやられていた。
「……ガロード、聞いているか?」
ガロードはカリスと戦いたくないと答えた。
「カリスって奴の気持ちもわかるような気がして……
誰だって人を超えた力が欲しいって思うこと、あるだろ!?
俺だってあったもん。それのどこが悪いのか……」
そんなガロードにジャミルは答えを示した。
「……方向を見失った者には、時には拳を振り上げ、突き放す勇気がいる」
「それに、さ……ガロード、お前はカリスに勝ちたいんじゃないか?」
フリーデンに、たった一機の敵襲が告げられる。
ベルティゴが、敵を、GXを、ガロードを求めて来たのだ。
「ガンダムX、出るぜぇっ!」
(ガロード…。あの人を、助けてあげて…!)
「今度こそ、負けられない! アイツのためにも…俺は、負けられないんだぁっ!!」
「それでパワーアップのつもりですか! 子供騙しな!」
「くぅっ!思い出すんだ! あの時の、ジャミルの戦い方を!!」
雪原で二つの白い巨人が火花を散らしあう。
ウィッツが、ロアビィが、ジャミルが、アムロが、ティファが
応援する中、遂にガロードはビット攻略の感覚を掴む!
「僕が…負けてる…!? 人の力を超えたはずの僕が!!」
ビットを全て潰され、しかしカリスはビームサーベルを抜いた。
それに答えるようにGXもビームサーベルを抜き……
「うぉぉおおぉおおぉぉおおぉおおぉお!!!」
数合の斬り合いの後、立っていたのはGXだった。
「これでいいのです……人工ニュータイプの僕が、力の限り戦って
普通の人間に敗北する……これで思い残すことはない……」
地に沈むベルティゴのコクピットの中で、カリスは呟く。
「あの時、僕は市長の心を感じた。そして全てを知ってしまった……
僕は……ただ市長の憎しみを晴らすための道具にすぎないと…!」
カリスは拳銃から薬莢を抜くと、やがて現れるであろう勝者に向けて構えた。
「僕は本当は弱い男だから、君に手伝ってもらうよ、ガロード……
これで僕を造るために死んでいった者達の魂も救われる……さぁ、ガロード。愚かな僕を撃て!」
戦いの結末を見ていたアムロはホッと溜息を吐いた。
これでカリスは、カリスを大切に思う者達を道連れにしなくて済む……と。
フォートセバーンの市民も、自衛軍も、カリスを必要としていたのだ。
誰よりも純粋に平和を求めるカリスを。それを見てきたアムロは分かる。
そんな彼らをノモアの狂気に巻き込む事はカリスにとってもよくない。
だから彼自身の為にも、今を生きている者達の為にも……
第十三話「カリスは生きなきゃならない」
そしてフリーデンは久々にフルメンバーが集まったのだった。
しかし、それを祝うにはガロードの持ってきた情報は楽観的ではなかった。
「マッドサイエンティストだな」アムロもNT研究所に入れられた経緯もあり、あまりいい感情は持っていない。
「いや、過去の亡霊だ」ジャミルは当事者だけに根底に流れる憎しみを理解していた。
パトゥーリアを見上げるノモアはエニルに語る。
「カリスは純粋だからな。説得は難しいが、欺くのは容易い。
"パトゥーリアが動く時こそ、戦後世界に真実の平和をもたらす戦いの始まりである"
と、常々教えてある。死んでいった戦友と同じ苦しみを、地球の奴らにも教えてやる!」
そんな彼をエニルはこう評するのだった。「フッ…悪い大人だわ……」
アムロは戦いに向けてドートレスの装備に注文を付けていた。
「ベストはパトゥーリア起動前に決着をつけること。
だが、パトゥーリアが動き出した場合、巨大MA戦を想定する必要がある」
戻ってみれば「百戦錬磨の軍人」という事になっていて(間違いではないが)
アムロはウィッツやロアビィに戦術支持をする立場に追いやられていた。
「……ガロード、聞いているか?」
ガロードはカリスと戦いたくないと答えた。
「カリスって奴の気持ちもわかるような気がして……
誰だって人を超えた力が欲しいって思うこと、あるだろ!?
俺だってあったもん。それのどこが悪いのか……」
そんなガロードにジャミルは答えを示した。
「……方向を見失った者には、時には拳を振り上げ、突き放す勇気がいる」
「それに、さ……ガロード、お前はカリスに勝ちたいんじゃないか?」
フリーデンに、たった一機の敵襲が告げられる。
ベルティゴが、敵を、GXを、ガロードを求めて来たのだ。
「ガンダムX、出るぜぇっ!」
(ガロード…。あの人を、助けてあげて…!)
「今度こそ、負けられない! アイツのためにも…俺は、負けられないんだぁっ!!」
「それでパワーアップのつもりですか! 子供騙しな!」
「くぅっ!思い出すんだ! あの時の、ジャミルの戦い方を!!」
雪原で二つの白い巨人が火花を散らしあう。
ウィッツが、ロアビィが、ジャミルが、アムロが、ティファが
応援する中、遂にガロードはビット攻略の感覚を掴む!
「僕が…負けてる…!? 人の力を超えたはずの僕が!!」
ビットを全て潰され、しかしカリスはビームサーベルを抜いた。
それに答えるようにGXもビームサーベルを抜き……
「うぉぉおおぉおおぉぉおおぉおおぉお!!!」
数合の斬り合いの後、立っていたのはGXだった。
「これでいいのです……人工ニュータイプの僕が、力の限り戦って
普通の人間に敗北する……これで思い残すことはない……」
地に沈むベルティゴのコクピットの中で、カリスは呟く。
「あの時、僕は市長の心を感じた。そして全てを知ってしまった……
僕は……ただ市長の憎しみを晴らすための道具にすぎないと…!」
カリスは拳銃から薬莢を抜くと、やがて現れるであろう勝者に向けて構えた。
「僕は本当は弱い男だから、君に手伝ってもらうよ、ガロード……
これで僕を造るために死んでいった者達の魂も救われる……さぁ、ガロード。愚かな僕を撃て!」
戦いの結末を見ていたアムロはホッと溜息を吐いた。
これでカリスは、カリスを大切に思う者達を道連れにしなくて済む……と。
フォートセバーンの市民も、自衛軍も、カリスを必要としていたのだ。
誰よりも純粋に平和を求めるカリスを。それを見てきたアムロは分かる。
そんな彼らをノモアの狂気に巻き込む事はカリスにとってもよくない。
だから彼自身の為にも、今を生きている者達の為にも……
第十三話「カリスは生きなきゃならない」
銃口を向けられたガロードは即座にカリスに撃ち返した。
その行動はAWに生きる者の習性であるといってもいい。
カリスはそのままフリーデンに収容され、手術を受けることになった。
艦長室でアムロは壁を叩いた。
「俺は……何のためにこの世界に来たんだ!」
自問をするアムロの姿をジャミルは黙して見ていた。
「別の世界にきてまで、何も変えられずに!」
「テクスはいい医者だ」
カリスが死ぬことはない……とジャミルはアムロに告げた。
「カリスは潔癖すぎる。急ぎすぎただけなのに、失敗をああやって償おうとするのは間違いだ」
「そうだな……そうだと、思いたい」
ジャミルは濁した。彼もまたNTとして生きて過ちを背負った人間だ。
そして長い償いの旅をしている。
ジャミルの視線を受けづらく、アムロは窓の外を見た。
そこにはフリーデンを出るガロードとティファの姿があった。
カリスはフリーデンから逃げ出していた。
目的地があるわけではない。敢えて言うならば自分の死だ。
カリスは極寒の雪原で死に絶えようと外に出たのだ。
だが、その小さな、血の巡りが悪くなり白くなった身体をガロードが抱え起こした。
「自分で選んだんだろ!? 自分で望んでニュータイプになったんだろ!!
死ねば全部チャラになると思ったら、大間違いだからな!!そんなやり方…俺は絶対認めないぞ!!」
そのガロードの言葉は、カリスの心も抱え起こした。
「3人揃ってのこのこ出てくるとは、手間が省けるわ!」
そこへ、エニルの指揮するカリス奪還の舞台が襲いかかる。
「させるか!」「アムロ!?」「いけ、ガロード!」
アムロはドートレスでジュラッグの部隊を相手にしながら
戦場をガロード達から遠ざけようと動いた。
エネルギー不足はバックパックの追加で解決している。
「ちぃ…それではもう戦えない、撤退しろ!」
だが、カリスを取り戻そうとするジュラッグ部隊は執拗に食い下がる。
「なんとしてもカリス様をっ!」「カリス様を取り返すんだ!!」
両腕を切断されてなおも、身体ごと当たりにきて戦おうとする。
「カリス!」「しまった!」エニルがカリスを攫う。
「返せ…カリスを返せよ!アイツ、やっと笑ったんだ! ちょっとだけど、初めて笑ったんだ!」
その行動はAWに生きる者の習性であるといってもいい。
カリスはそのままフリーデンに収容され、手術を受けることになった。
艦長室でアムロは壁を叩いた。
「俺は……何のためにこの世界に来たんだ!」
自問をするアムロの姿をジャミルは黙して見ていた。
「別の世界にきてまで、何も変えられずに!」
「テクスはいい医者だ」
カリスが死ぬことはない……とジャミルはアムロに告げた。
「カリスは潔癖すぎる。急ぎすぎただけなのに、失敗をああやって償おうとするのは間違いだ」
「そうだな……そうだと、思いたい」
ジャミルは濁した。彼もまたNTとして生きて過ちを背負った人間だ。
そして長い償いの旅をしている。
ジャミルの視線を受けづらく、アムロは窓の外を見た。
そこにはフリーデンを出るガロードとティファの姿があった。
カリスはフリーデンから逃げ出していた。
目的地があるわけではない。敢えて言うならば自分の死だ。
カリスは極寒の雪原で死に絶えようと外に出たのだ。
だが、その小さな、血の巡りが悪くなり白くなった身体をガロードが抱え起こした。
「自分で選んだんだろ!? 自分で望んでニュータイプになったんだろ!!
死ねば全部チャラになると思ったら、大間違いだからな!!そんなやり方…俺は絶対認めないぞ!!」
そのガロードの言葉は、カリスの心も抱え起こした。
「3人揃ってのこのこ出てくるとは、手間が省けるわ!」
そこへ、エニルの指揮するカリス奪還の舞台が襲いかかる。
「させるか!」「アムロ!?」「いけ、ガロード!」
アムロはドートレスでジュラッグの部隊を相手にしながら
戦場をガロード達から遠ざけようと動いた。
エネルギー不足はバックパックの追加で解決している。
「ちぃ…それではもう戦えない、撤退しろ!」
だが、カリスを取り戻そうとするジュラッグ部隊は執拗に食い下がる。
「なんとしてもカリス様をっ!」「カリス様を取り返すんだ!!」
両腕を切断されてなおも、身体ごと当たりにきて戦おうとする。
「カリス!」「しまった!」エニルがカリスを攫う。
「返せ…カリスを返せよ!アイツ、やっと笑ったんだ! ちょっとだけど、初めて笑ったんだ!」
パトゥーリアが起動する。
ノモアの15年の憎悪と、憐れな少年を糧に。
朱色の巨躯が二つに割れ、ビームの洪水が街に降り注ぐ。
「自分の街を燃やしちゃっても、全然意味ないじゃない!」
「戦争の亡霊が、取り憑いている…。奴の目的は、全地球人類に対する復讐だ」
アムロはMSデッキに向かった。観戦をしている場合ではないのだ。
ガロード達も続く。ジャミルの出撃命令を待つまでもないだろう。戦うしかないのだ。
「克目せよ地球人類!! これが、お前達が宇宙に住む民にもたらした苦しみだ!
お前達は血と炎と無意味なる死を宇宙にもたらした! その罪を、今こそ償うのだ!
カリス・ノーティラスの力ある限り、何人たりとも我らの復讐を止めることは不可能なのだ!」
パトゥーリアのオールレンジ攻撃をアムロはかわしながら反撃する。
「スゲェ…」「練習してたわけじゃないよね?」「よぉし、アムロに続くんだ!」
ビーム砲を散らしながら、火の海と化すフォートセバーンでジュラッグが動くのをアムロは見つけた。
アムロはジュラッグに近づくと、向けられた銃口を手早く撃ち落とし、ビーム砲の死角に誘った。
通信をしてみればフォートセバーンの自衛軍も混乱しているらしい。
アムロは彼らを怒鳴りつけ、戦場から離れて市民救助に動くよう命じた。
一方、ガロード達に加勢が現れる。
ベルティゴに乗ったジャミルとティファだ。
ティファが告げる。カリスの心が消えていくと。
「程なく、カリスはパトゥーリアそのものとなる! 私の求めた真のニュータイプになるのだよ!」
(宇宙革命軍はNTを主義にしていたと聞いたが、これではまるっきり戦争の道具だな)
ノモアの悪意を感じながら、アムロは考える。
「ジャミル、何故ティファを連れてきた。この悪意は毒だ」
「私がお願いしました……。私が導きます。あの人のところへ」
パトゥーリアがカリスの力で動いているなら
カリスを目覚めさせることができれば、戦いを終わらせられるかも知れない。
ジャミル達はカリスの元へ、ガロードを運ぶ決意をする。
火線を潜りぬけ、GXの三日月型のビームがパトゥーリアの表面を穿つ。
「目を開いて、周りを見て!」「カリスゥゥーーッ!!」
ティファが、ガロードが、カリスの心へ向かって叫ぶ。
発射態勢に入った荷粒子砲の砲門を、アムロがバズーカで潰す。
アムロがMA戦を想定してキッドに用意させた装備だ。
(カリス、皆キミの為に戦っている……)
「人の善意を無視するヤツは一生苦しむぞ!」
GXを背後から襲うビーム砲を撃ち落とし、アムロは叫んだ。
ノモアの15年の憎悪と、憐れな少年を糧に。
朱色の巨躯が二つに割れ、ビームの洪水が街に降り注ぐ。
「自分の街を燃やしちゃっても、全然意味ないじゃない!」
「戦争の亡霊が、取り憑いている…。奴の目的は、全地球人類に対する復讐だ」
アムロはMSデッキに向かった。観戦をしている場合ではないのだ。
ガロード達も続く。ジャミルの出撃命令を待つまでもないだろう。戦うしかないのだ。
「克目せよ地球人類!! これが、お前達が宇宙に住む民にもたらした苦しみだ!
お前達は血と炎と無意味なる死を宇宙にもたらした! その罪を、今こそ償うのだ!
カリス・ノーティラスの力ある限り、何人たりとも我らの復讐を止めることは不可能なのだ!」
パトゥーリアのオールレンジ攻撃をアムロはかわしながら反撃する。
「スゲェ…」「練習してたわけじゃないよね?」「よぉし、アムロに続くんだ!」
ビーム砲を散らしながら、火の海と化すフォートセバーンでジュラッグが動くのをアムロは見つけた。
アムロはジュラッグに近づくと、向けられた銃口を手早く撃ち落とし、ビーム砲の死角に誘った。
通信をしてみればフォートセバーンの自衛軍も混乱しているらしい。
アムロは彼らを怒鳴りつけ、戦場から離れて市民救助に動くよう命じた。
一方、ガロード達に加勢が現れる。
ベルティゴに乗ったジャミルとティファだ。
ティファが告げる。カリスの心が消えていくと。
「程なく、カリスはパトゥーリアそのものとなる! 私の求めた真のニュータイプになるのだよ!」
(宇宙革命軍はNTを主義にしていたと聞いたが、これではまるっきり戦争の道具だな)
ノモアの悪意を感じながら、アムロは考える。
「ジャミル、何故ティファを連れてきた。この悪意は毒だ」
「私がお願いしました……。私が導きます。あの人のところへ」
パトゥーリアがカリスの力で動いているなら
カリスを目覚めさせることができれば、戦いを終わらせられるかも知れない。
ジャミル達はカリスの元へ、ガロードを運ぶ決意をする。
火線を潜りぬけ、GXの三日月型のビームがパトゥーリアの表面を穿つ。
「目を開いて、周りを見て!」「カリスゥゥーーッ!!」
ティファが、ガロードが、カリスの心へ向かって叫ぶ。
発射態勢に入った荷粒子砲の砲門を、アムロがバズーカで潰す。
アムロがMA戦を想定してキッドに用意させた装備だ。
(カリス、皆キミの為に戦っている……)
「人の善意を無視するヤツは一生苦しむぞ!」
GXを背後から襲うビーム砲を撃ち落とし、アムロは叫んだ。
ガロードはカリスを取り戻し、ノモアはパトゥーリアと共に沈んだ。
エニルは姿を消し、そして目覚めたカリスは……
「やっぱ、帰るのか…あの街に…」
「はい。僕には全てをフォートセバーンの市民に知らせる義務があります。
もし許されるのなら、街の復興に一生を捧げるつもりです」
白き道を進むカリスの背中を見送るガロードに、テクスが告げる。
カリスの背負った十字架は、フォートセバーンの復興だけではない。
シナップスシンドローム……もはやそれを和らげる技術者も、研究所もない。
カリスはその苦しみと一生闘わなければならないのだ。
それはニュータイプに幻想を抱いた彼が背負った重たい十字架なのか。
「俺の中にもアイツがいた! 誰だって力が欲しい!誰の中にもアイツがいるんだぁっ!!」
嘆くガロードをジャミルは制す。それがカリスが自分で選んだことだと。
「希望は、あります」
そしてティファはそう力強く言った。その言葉の通り、歩くカリスは笑顔だ。
(ガロード、ティファ、僕は生きるよ。生き抜いてみせる!)
「そうだな、希望か……」
それまで沈黙を守っていたアムロは、そう呟いた。
「アムロ?」「いこう、俺達も進まないとな」
NTは同じNTを、強化人間を救うことはできない……
そんなジンクスをこのAWで振り払ったのかも知れない
アムロはそんな事を考えていた。
その原動力になったのは……アムロは少年と少女を見つめた。
第十四話「君達に逢えて、本当に良かった」
エニルは姿を消し、そして目覚めたカリスは……
「やっぱ、帰るのか…あの街に…」
「はい。僕には全てをフォートセバーンの市民に知らせる義務があります。
もし許されるのなら、街の復興に一生を捧げるつもりです」
白き道を進むカリスの背中を見送るガロードに、テクスが告げる。
カリスの背負った十字架は、フォートセバーンの復興だけではない。
シナップスシンドローム……もはやそれを和らげる技術者も、研究所もない。
カリスはその苦しみと一生闘わなければならないのだ。
それはニュータイプに幻想を抱いた彼が背負った重たい十字架なのか。
「俺の中にもアイツがいた! 誰だって力が欲しい!誰の中にもアイツがいるんだぁっ!!」
嘆くガロードをジャミルは制す。それがカリスが自分で選んだことだと。
「希望は、あります」
そしてティファはそう力強く言った。その言葉の通り、歩くカリスは笑顔だ。
(ガロード、ティファ、僕は生きるよ。生き抜いてみせる!)
「そうだな、希望か……」
それまで沈黙を守っていたアムロは、そう呟いた。
「アムロ?」「いこう、俺達も進まないとな」
NTは同じNTを、強化人間を救うことはできない……
そんなジンクスをこのAWで振り払ったのかも知れない
アムロはそんな事を考えていた。
その原動力になったのは……アムロは少年と少女を見つめた。
第十四話「君達に逢えて、本当に良かった」
「お使い?」
ウィッツとロアビィが休暇を申請し、許可された今
GXと自分のドートレスしか戦力がない状況で、まさか自分が買い出しにいかされるとは
思ってもいなかったアムロは思わず上擦った声を上げた。
自分よりはるか年下のキッドにお使いと言われたのもあるが。
「パトゥーリアとの戦闘で資材が無くなったのか……」
「いんや、足りなくなったのは食料品ね。はいコレ、買ってくるもののリスト」
まてまて、そういうのはサラ辺りから指示されるものじゃないのか、とアムロの表情に対しキッドが説明する。
曰く、クルーのリクエストを集めていたので最後に回ってきたメカニック組からアムロへという経路である。
(俺は聞かれてないぞ……)
さらに物資購入の地点の立地上、フリーデンでは入れないのだ。
……すでにドートレスの背中にはコンテナが搭載されている。アムロは昔、資料で見た陸戦型ガンダムを思い出した。
「あと実のところ、物資補給より交易が重視なんだよね」
そこの果物類は高級嗜好品として高く売りさばけるらしい。
ので、運ぶ途中に狙われる危険もあるのでアムロが適任……と。
「まあいいさ。暇だし」「うん、人選の一番の理由は暇なヤツだからね」「………」
アムロが降り立ったのは寒冷地帯の中で、近くを走る火山によって暖められた地下水の恩恵を受けて
豊富な食料資源を生産している自治体である。
フリーデンと面識があるアフランシという顔役に会ったアムロはコンテナに交易品を詰め終わり、一息ついた所だった。
「こいつは寒冷地仕様だ。ここじゃ使い物にならないんだから、このぐらいだな」
「冗談は休み休み言いなさいよ。寒冷地用のMSってだけでも買い手なら付くわよ。わざわざ汎用に直して売る気?」
MSの売買もやっているらしい……とアムロの目に付いたそのMSはついこの前戦ったばかりのものだ。
「ジュラッグ? フォートセバーンのMSがどうしてこんなところに?」
フォートセバーンのMS……その言葉にアムロに振り向いた(ジュラッグの持ち主らしい)女性に、見覚えがある。
「……ノモアと一緒にいた?」「フリーデンの!?」
エニル=エルだ。どうやらノモアの元から逃げ出すついでにちゃっかりとジュラッグを失敬してたらしい。
「ちょうどお昼とはいえ、鉛弾を食事に選ぶつもりはないな」身構えるエニルをアムロは牽制する。
次いで適当な食事処を差して彼女を誘った。
「君は革命g…」「余計なことは言わないで頂戴」
ガロードから聞いた情報と確かめようとして、エニルに遮られた。
「それとも私を魔女狩りで殺すのが目的なのかしら?」「いや、すまない。常識がなくて」
宇宙革命軍は地球の敵、という事らしい。ノモアが15年、地球連邦を宇宙革命軍の敵と思い続けたように。
そこら辺の憎しみの深さというものは、別世界の人間であるアムロには計り知れないものがある。
注文したミートソースに付いてきたサラダを囓りながら、アムロは思った。
「宇宙の状況を知っていたりしないか?」
アクシズを宇宙で止めようとして、いや止めて気がついたらAWの地上にいた。
単純に過ぎる考えではあるが、宇宙に元の世界に戻るカギがあるのではないか……アムロはそんな事を考えていた。
「残念ね、私は宇宙のことなんて何も知らないわ」
「帰りたいと思わないのか?」
「生まれも育ちも地球なのに?」
自嘲するようにエニルは語った。父親が宇宙生まれであることだけで、彼女は平穏を、家族を失ったのだ。
だから彼女は独りだ。宇宙は遠く、地球は自分を受け入れてくれない、だから独りで強くなったのだ。
「けど拍子抜けね。貴方だけなんて」
「ガロードがいたら君は……」
「そうね、この街を火の海にしてでも……」
「そんなことをすればこの大陸では生きていけなくなる」
ここは攻めるに易く守るに難い。その上、一度荒れれば再び農業拠点として復活するまで十数年を要する。
それらの条件により、暗黙の了解としてバルチャー同士で争いを持ち込まないことになっている。
フリーデンが直接乗り込まなかったのは余計な刺激を与えない為でもあるのだ。
そんな場所で戦いを起こせば、他のバルチャーから制裁を与えられるのは必然である。
「無茶な事をして……命を大事にするべきだ」
「そう? そういう貴方は命を大事にしてきた人には見えないけど?」
"ヤツを仕留めなければ死にきれるもんじゃない"……かつて放った言葉をアムロは心の中で反芻する。
シャアの暴走は確かに食い止めたという実感がある。だから今の自分はいつ死んでもいい……
そう自問すると、そうだと答え返す自分がいるのではないか……アムロは爪を噛んだ。
ウィッツとロアビィが休暇を申請し、許可された今
GXと自分のドートレスしか戦力がない状況で、まさか自分が買い出しにいかされるとは
思ってもいなかったアムロは思わず上擦った声を上げた。
自分よりはるか年下のキッドにお使いと言われたのもあるが。
「パトゥーリアとの戦闘で資材が無くなったのか……」
「いんや、足りなくなったのは食料品ね。はいコレ、買ってくるもののリスト」
まてまて、そういうのはサラ辺りから指示されるものじゃないのか、とアムロの表情に対しキッドが説明する。
曰く、クルーのリクエストを集めていたので最後に回ってきたメカニック組からアムロへという経路である。
(俺は聞かれてないぞ……)
さらに物資購入の地点の立地上、フリーデンでは入れないのだ。
……すでにドートレスの背中にはコンテナが搭載されている。アムロは昔、資料で見た陸戦型ガンダムを思い出した。
「あと実のところ、物資補給より交易が重視なんだよね」
そこの果物類は高級嗜好品として高く売りさばけるらしい。
ので、運ぶ途中に狙われる危険もあるのでアムロが適任……と。
「まあいいさ。暇だし」「うん、人選の一番の理由は暇なヤツだからね」「………」
アムロが降り立ったのは寒冷地帯の中で、近くを走る火山によって暖められた地下水の恩恵を受けて
豊富な食料資源を生産している自治体である。
フリーデンと面識があるアフランシという顔役に会ったアムロはコンテナに交易品を詰め終わり、一息ついた所だった。
「こいつは寒冷地仕様だ。ここじゃ使い物にならないんだから、このぐらいだな」
「冗談は休み休み言いなさいよ。寒冷地用のMSってだけでも買い手なら付くわよ。わざわざ汎用に直して売る気?」
MSの売買もやっているらしい……とアムロの目に付いたそのMSはついこの前戦ったばかりのものだ。
「ジュラッグ? フォートセバーンのMSがどうしてこんなところに?」
フォートセバーンのMS……その言葉にアムロに振り向いた(ジュラッグの持ち主らしい)女性に、見覚えがある。
「……ノモアと一緒にいた?」「フリーデンの!?」
エニル=エルだ。どうやらノモアの元から逃げ出すついでにちゃっかりとジュラッグを失敬してたらしい。
「ちょうどお昼とはいえ、鉛弾を食事に選ぶつもりはないな」身構えるエニルをアムロは牽制する。
次いで適当な食事処を差して彼女を誘った。
「君は革命g…」「余計なことは言わないで頂戴」
ガロードから聞いた情報と確かめようとして、エニルに遮られた。
「それとも私を魔女狩りで殺すのが目的なのかしら?」「いや、すまない。常識がなくて」
宇宙革命軍は地球の敵、という事らしい。ノモアが15年、地球連邦を宇宙革命軍の敵と思い続けたように。
そこら辺の憎しみの深さというものは、別世界の人間であるアムロには計り知れないものがある。
注文したミートソースに付いてきたサラダを囓りながら、アムロは思った。
「宇宙の状況を知っていたりしないか?」
アクシズを宇宙で止めようとして、いや止めて気がついたらAWの地上にいた。
単純に過ぎる考えではあるが、宇宙に元の世界に戻るカギがあるのではないか……アムロはそんな事を考えていた。
「残念ね、私は宇宙のことなんて何も知らないわ」
「帰りたいと思わないのか?」
「生まれも育ちも地球なのに?」
自嘲するようにエニルは語った。父親が宇宙生まれであることだけで、彼女は平穏を、家族を失ったのだ。
だから彼女は独りだ。宇宙は遠く、地球は自分を受け入れてくれない、だから独りで強くなったのだ。
「けど拍子抜けね。貴方だけなんて」
「ガロードがいたら君は……」
「そうね、この街を火の海にしてでも……」
「そんなことをすればこの大陸では生きていけなくなる」
ここは攻めるに易く守るに難い。その上、一度荒れれば再び農業拠点として復活するまで十数年を要する。
それらの条件により、暗黙の了解としてバルチャー同士で争いを持ち込まないことになっている。
フリーデンが直接乗り込まなかったのは余計な刺激を与えない為でもあるのだ。
そんな場所で戦いを起こせば、他のバルチャーから制裁を与えられるのは必然である。
「無茶な事をして……命を大事にするべきだ」
「そう? そういう貴方は命を大事にしてきた人には見えないけど?」
"ヤツを仕留めなければ死にきれるもんじゃない"……かつて放った言葉をアムロは心の中で反芻する。
シャアの暴走は確かに食い止めたという実感がある。だから今の自分はいつ死んでもいい……
そう自問すると、そうだと答え返す自分がいるのではないか……アムロは爪を噛んだ。
「いい歳してやめなさいよ、そういうのは」
指摘され、アムロは視線を逸らした。
「違うな。シャアもララアも、いい加減ここまでまとわりついてはこないさ……」
「え?」「いや、俺の話さ」
NTの怨念ともいうものがあるのなら、あの少年・カリス=ノーティラスを救えた時点でそれは断ち切った筈だ。
ガロードとティファが、(彼らは意識などしてないだろうが)断ち切ったのだ。
「もう少し、未来を信じてもいい筈だ。希望はあるんだから……」
それはアムロが自分に向けて放った言葉だった。
しかしその言葉はエニルを漣のように打ち続ける。
「私は……」
突如、轟音が響く。
床から感じる震動は、大地が起こしたものではない。人が造った巨人の足音だ。
「ヒッヒッヒ……エニルゥ……ひでぇじゃねぇか、俺を見捨てるなんてよぉ」
不可侵領域であるこの場所に、バルチャーが侵入してきた。
それはエニル=エルにとっての過去の亡霊だ。
「ザコット!?」
「全く……お前はいつも要領がいいんだからよぉ……お陰で俺は身体半分ズルズルだぜ……へへへ」
半身を醜く爛れさせたザコットが、MSを連れて街を踏み歩く。
「まあアレだ。世の中全部燃やしちまえば、イーブンってもんだろ!なぁっ!!」
ドートレスの両肩にドータップ二機を付属させた魔改造機・ドートレスジャグラーが炎を吐く。
「ちぃ……正気か!」
「この世界に正気なんざあるわきゃねぇだろがぁ!!」
ドートレスに乗ったアムロが、ザコットに攻撃する。
しかしコンテナを背負ったドートレスの動きは鈍く、逆に押し倒されてしまう。
流石に建物に突っ込むのは回避したアムロ。
「ちぃ……これじゃあ赤字だよ!」かわりにコンテナを潰してしまった。
「協力してくれるなら、赤字は帳消しにしても構わない」
「アフランシか。いやな色のMSに乗っている」「発注したときは白だったんですが……ッ!」
街の自衛団MSが出撃し、ザコット一味に戦いを挑む。
アフランシのMSは一角獣のような角がある赤い機体だった。
「報酬が出るなら悪くないわね」
「エニル=エル!?そのジュラッグではムリだ」
エニルもジュラッグで駆けつけるが、ジュラッグの寒冷地用の調整はここでは逆にデメリットだ。
それでなくてもフォートセバーンから乗り続けてきたらしいジュラッグにはガタが見える。
「ここは俺に任せて下がれ!」
ザコットの部下のファイヤーワラビーに組み付かれるエニルは、しかし猛る。
「そうはいかないわよ。これは私が呼んだ地獄なんだから……
私はいつだって、地獄を振り払って生きてきたんだから!!」
エニルは相手のビームサーベルを奪い抜き、MSを一刀両断にする。
「私は……エニル=エルよ!!」
ザコットを狙い、コクピットをためらいなく串刺しにするエニル。
アフランシは律儀な男で、本当にアムロが駄目にした物資分を無料で用意してくれた。
この信用がこの自治体を成り立たせているのだろう。
「これでなんとか仲間に面目が立つよ」
戦闘後で煙が立つ街の中、アムロはアフランシと握手を交わした。
「エニル=エルの居場所を知らないか?」
「報酬を受け取ったらスグに去っていったと思う」
アムロは己の手を見た。アフランシのように、エニルとも手を繋ぐことができればよかったのだが。
自分はガロードのように上手くはないらしい……
アムロはもう一度、焼けこげた街を見渡した。
いい加減この荒廃した世界を見慣れていて、この街の活気を見たときはこの世界の天国だな、とすら思ったものだ。それが一瞬でこれである。
この時代を生きるエニル=エルが呼び水となった地獄、そしてその地獄から彼女を引き上げることができなかった自分……
アムロは帰りのドートレスの中で呟いた。
第十五話 「天国なんてあるのかな」
指摘され、アムロは視線を逸らした。
「違うな。シャアもララアも、いい加減ここまでまとわりついてはこないさ……」
「え?」「いや、俺の話さ」
NTの怨念ともいうものがあるのなら、あの少年・カリス=ノーティラスを救えた時点でそれは断ち切った筈だ。
ガロードとティファが、(彼らは意識などしてないだろうが)断ち切ったのだ。
「もう少し、未来を信じてもいい筈だ。希望はあるんだから……」
それはアムロが自分に向けて放った言葉だった。
しかしその言葉はエニルを漣のように打ち続ける。
「私は……」
突如、轟音が響く。
床から感じる震動は、大地が起こしたものではない。人が造った巨人の足音だ。
「ヒッヒッヒ……エニルゥ……ひでぇじゃねぇか、俺を見捨てるなんてよぉ」
不可侵領域であるこの場所に、バルチャーが侵入してきた。
それはエニル=エルにとっての過去の亡霊だ。
「ザコット!?」
「全く……お前はいつも要領がいいんだからよぉ……お陰で俺は身体半分ズルズルだぜ……へへへ」
半身を醜く爛れさせたザコットが、MSを連れて街を踏み歩く。
「まあアレだ。世の中全部燃やしちまえば、イーブンってもんだろ!なぁっ!!」
ドートレスの両肩にドータップ二機を付属させた魔改造機・ドートレスジャグラーが炎を吐く。
「ちぃ……正気か!」
「この世界に正気なんざあるわきゃねぇだろがぁ!!」
ドートレスに乗ったアムロが、ザコットに攻撃する。
しかしコンテナを背負ったドートレスの動きは鈍く、逆に押し倒されてしまう。
流石に建物に突っ込むのは回避したアムロ。
「ちぃ……これじゃあ赤字だよ!」かわりにコンテナを潰してしまった。
「協力してくれるなら、赤字は帳消しにしても構わない」
「アフランシか。いやな色のMSに乗っている」「発注したときは白だったんですが……ッ!」
街の自衛団MSが出撃し、ザコット一味に戦いを挑む。
アフランシのMSは一角獣のような角がある赤い機体だった。
「報酬が出るなら悪くないわね」
「エニル=エル!?そのジュラッグではムリだ」
エニルもジュラッグで駆けつけるが、ジュラッグの寒冷地用の調整はここでは逆にデメリットだ。
それでなくてもフォートセバーンから乗り続けてきたらしいジュラッグにはガタが見える。
「ここは俺に任せて下がれ!」
ザコットの部下のファイヤーワラビーに組み付かれるエニルは、しかし猛る。
「そうはいかないわよ。これは私が呼んだ地獄なんだから……
私はいつだって、地獄を振り払って生きてきたんだから!!」
エニルは相手のビームサーベルを奪い抜き、MSを一刀両断にする。
「私は……エニル=エルよ!!」
ザコットを狙い、コクピットをためらいなく串刺しにするエニル。
アフランシは律儀な男で、本当にアムロが駄目にした物資分を無料で用意してくれた。
この信用がこの自治体を成り立たせているのだろう。
「これでなんとか仲間に面目が立つよ」
戦闘後で煙が立つ街の中、アムロはアフランシと握手を交わした。
「エニル=エルの居場所を知らないか?」
「報酬を受け取ったらスグに去っていったと思う」
アムロは己の手を見た。アフランシのように、エニルとも手を繋ぐことができればよかったのだが。
自分はガロードのように上手くはないらしい……
アムロはもう一度、焼けこげた街を見渡した。
いい加減この荒廃した世界を見慣れていて、この街の活気を見たときはこの世界の天国だな、とすら思ったものだ。それが一瞬でこれである。
この時代を生きるエニル=エルが呼び水となった地獄、そしてその地獄から彼女を引き上げることができなかった自分……
アムロは帰りのドートレスの中で呟いた。
第十五話 「天国なんてあるのかな」
乙
ロアビィ、ウィッツの話をよくまとめあげたな、マジ鳥肌立った
関連記事まとめ
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37747904.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 2 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762393.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 3(未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762491.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 4 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762537.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 5 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762581.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37747904.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 2 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762393.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 3(未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762491.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 4 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762537.html
もしもCCAアムロがガンダムXの世界にいたら 5 (未完SS)☆
http://blog.livedoor.jp/redcomet2ch/archives/37762581.html
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